羽毛布団の側生地の素材は何がおすすめ?
羽毛布団の羽毛は湿度や温度を調節し、布団の中を快適に保ってくれます。この羽毛の優れた機能を最大限に生かすためにも側生地の素材選びはとても重要です。今回は羽毛布団の側生地の素材についてお話しします。
羽毛布団の側生地にふさわしい素材とは?
羽毛布団の側生地にはどのような素材が適しているのでしょうか。
吸湿・放湿性、通気性に優れている
羽毛は吸湿・放湿性、通気性に大変優れており、布団の中の温度や湿度を調節して快適に保ってくれます。この素晴らしい機能を損なわないためには、側生地も吸湿・放湿性、通気性に優れた素材を選ぶことが大切です。吸湿・放湿性、通気性の良くない側生地を使った布団の場合、寝ている間に布団の中がムレてしまい寝苦しさを感じることもあります。
耐久性に優れている
羽毛布団は毎日使うものであり、比較的試用期間が長い寝具ですので耐久性に優れた側生地素材を選ぶ必要があります。強度があり、洗濯や長年の使用に耐えられる生地を選びましょう。
軽い
羽毛の吹き出し防止のため、羽毛布団の側生地は高密度に織られており普通の布よりも重さを感じることがあります。布団の重さは寝苦しさの原因になることもありますので、できるだけ軽量の素材で作られた側生地がおすすめです。また側生地が重いと中の羽毛が潰れてしまい、空気を十分に含むことができずに保温力を発揮できないということもあります。
ドレープ性が高い
ドレープ性とは布が体にまとわることをいいます。ドレープ性が高い生地は体にフィットしやすく、体を包み込むような肌触りです。ドレープ性の高い素材を使った側生地の布団は体をしっかり包むので、布団と体の間に隙間を作らず、冷たい空気が入り込むのを防ぐことができます。
羽毛布団の側生地はどんな素材で作られているの?
羽毛布団の側生地には綿、合成繊維、シルクなどが使われているのが一般的です。それぞれの素材について知っておきましょう。
綿
肌触りが良く、吸湿・放湿性に優れた綿は羽毛布団の側生地に大変適した素材です。軽さを出すためにポリエステルを混紡した素材もありますが、通気性・放湿性を重視するなら、綿100%をおすすめします。
綿の中でも繊維の長さが長い超長綿(繊維の長さが35mm以上)は高級品とされています。繊維が長い超長綿は細くて強度の高い糸を作ることができ、羽毛布団の側生地に適した薄くて丈夫な布を作ることができます。
メリット:肌触りが良い。吸湿・放湿性に優れている
デメリット:糸の番手(太さ)が太いとゴワゴワしたり、布に湿気がたまってしまったりすることがある。
合成繊維
合成繊維を使った側生地もよくみかけます。その多くはポリエステル100%やポリエステルと綿を混紡した素材です。ポリエステルは綿に比べると軽くてつるりとした肌触りが気持ち良いですが、通気性は綿に劣ります。また静電気が起きやすくホコリを吸い寄せてしまうためアレルギーがある方は注意が必要です。
最近ではユーカリを原料とする「リヨセル」という素材が使われた側生地もあります。繊維の断面が円形をしており、強度、吸湿・放湿性が高いという特徴があります。光沢のある、やさしくやわらかな風合いが魅力です。
メリット:軽くて安価。つるりとした肌触りが気持ち良い。
デメリット:通気性が悪くムレやすい。静電気が起きやすいのでホコリを吸い寄せる。
シルク
シルクは蚕の繭から作られる天然素材で、美しい光沢となめらかな手触りが特徴です。吸湿・放湿性にも大変優れており、天然素材のため静電気も起こりにくいというメリットがあります。羽毛布団の側生地に大変適した素材といえますが、残念ながらシルクは繊細で摩擦に弱いというデメリットも。
そのような理由で最近はシルク100%の側生地は少なくなっているようです。
メリット:肌触りがなめらか。吸湿・放湿性に優れている。
デメリット:貴重なため高価。繊細で摩擦に弱く耐久性に劣る。
まとめ:おすすめはどの素材?
羽毛布団の側生地の素材についてお話ししました。
やはりおすすめは綿100%の側生地です。ご紹介した超長綿の側生地は薄くて滑らかですので、羽毛布団の側生地に最適です。羽毛の通気性、吸湿・放湿性も損ないません。
また、側生地選びは素材のほかにも糸の番手(太さ)や織り方も考慮すべき要素といえるでしょう。
詳しくは『羽毛布団の側生地に詳しくなろう!信頼できる側生地製造メーカーは?』で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
今回の内容をまとめました。
・羽毛布団の側生地にふさわしいのは「吸湿・放湿性、通気性に優れている」「耐久性が高い」「軽い」「ドレープ性が高い」素材
・羽毛布団に使われる主な素材は「綿」「合成繊維」「シルク」
・おすすめは超長綿100%の側生地