ダウンパワーって何?羽毛布団を買う前に知っておきたい基礎知識
ダウンパワーという言葉をご存知でしょうか?
ダウンパワーとはダウン(羽毛)のふくらみ具合を数値化したもののことです。羽毛がどれだけふっくらとしているか、つまり、羽毛の品質を見極める目安となります。今回はダウンパワーについて解説します。
ダウンパワーとは?
羽毛はダウンボール(羽毛をひとつ取り出して見るとボール状なのでそう呼ばれる)が大きいほど高品質とされますが、そのひとつひとつを取り出して大きさを計測することは不可能です。
ダウンパワーは羽毛1g当たりの体積(㎠/g)を計測して数値化したもの。ダウンパワー(dp)という単位で示します。これにより、どれだけふかふかに膨らむ羽毛なのか、という羽毛の品質が誰にでも一目で分かるようになりました。
このダウンパワーの数値が大きいほどより空気をたくさん含んでふかふかの高品質の羽毛ということになり、350dp程度で廉価品、410dp程度で高級品、430dp以上で最高級品とされます。
◉ダウンパワーはどうやって測るの?
ダウンパワーの計測方法はJIS(日本工業規格)で定められています。
試験方法は、内径29cmの円筒に30gの精製した羽毛を自然落下させ、その上から94.3gの円盤を乗せて2分間重さを加えた後、円筒の底から円盤までの高さを計測して1g当たりの「体積」を算出します。
◉かさ高とダウンパワーは違うの?
かさ高は羽毛のふくらみ具合を高さで示した数値で、mmで表記します。2012年にダウンパワーが正式に使われるようになる前はかさ高で羽毛の品質を見ていました。
計測方法もダウンパワーとは若干異なり、内径29cmの円筒に30gの羽毛を自然落下させて上から120gの円盤を乗せて重みを加え、2分後に円筒の底から円盤までの「高さ」を計測して算出します。
130mmで廉価品、170mmで高級品、180mm以上で最高級品とされます。
羽毛布団のダウンパワーを知るには?
羽毛布団に使われている羽毛のダウンパワーを知るには、日本羽毛製品共同組合が発行している「ゴールドラベル」がひとつの目安になります。
ゴールドラベルは羽毛の品質によって製品を分類したもので、羽毛のダウンパワーを保証するものです。ニューゴールドラベル、エクセルゴールドラベル、ロイヤルゴールドラベル、プレミアムゴールドラベルの4つのランクがあり、ランクが上がればそれだけ羽毛の質が高くなり、価格も上がります。
ダウンパワーはどれくらいがいいの?
一般的に400dp以上、ロイヤルゴールドラベル以上の羽毛布団が高品質とされますが、ダウンパワーはダウンのふかふか感を数値で表したものにすぎませんので、ダウンがどれだけの量入っているか、充填量にも注目してみてください。
羽毛の適正充填量の目安は、シングルサイズで1.0~1.2kg、ダブルサイズで1.3~1.6kg、春秋用の合掛けふとんで0.6~0.8kg、夏用の肌がけ布団で0.2~0.4kgです。これよりも少なすぎる場合は保温性に欠け、多すぎる場合は熱がこもってムレて寝苦しい布団になってしまいます。
ご自身の体質(暑がり・寒がり)やお住まいの環境(機密性が高く冬でも暖かいなど)も考慮に入れて羽毛布団を選ぶのがポイントです。
また、ダウンパワーの数値としては現れませんが、スティッキーダウンやアイダーダックダウンなど、羽毛同士が絡みやすく保温性の高い羽毛もありますので、覚えておくといいでしょう。
まとめ
ダウンの品質の目安となるダウンパワーについて解説しました。羽毛は水鳥の種類や産地だけでは品質を見極めるのがとても難しいですが、ダウンパワーという基準があることで、誰でも羽毛布団の品質が一目で分かるようになっています。
羽毛布団を購入する際は、水鳥の種類や産地だけでなく、ダウンパワーや羽毛充填量なども確認してから品質を判断するのがおすすめです。
・ダウンパワー(dp)とは羽毛のふくらみ具合を数値化したもので、羽毛1g当たりの体積
・日本羽毛製品協同組合発行の「ゴールドラベル」はダウンパワーを保証するラベル
・羽毛布団購入の際は、ダウンパワーだけでなく、羽毛の充填量にも注目するとよい
ぜひ参考にしてみてください。