ダウンにはどんな加工方法があるの?おさえておきたい羽毛布団の基礎知識

2022年3月10日

ダウンの加工方法

オゾン加工やウォッシャブル加工など、羽毛に施される加工にはさまざまなものがあります。

何か加工されている方がよさそうに聞こえますが、うたい文句に惑わされずに、実際その加工がどのようなことに効果があるものなのか、きちんと知っておくことが大切です。

今回は、羽毛の加工方法について詳しく見ていきましょう。

ダウンに施す加工にはどんなものがあるの?

ダウンに施される主な加工についておさえておきましょう。

オゾン加工

オゾンは高い酸化力を持ち、化学反応によって臭気物質を分解して無臭のものに変えるという性質があります。

分解後のオゾンは酸素に戻るため、適切な濃度であれば、残留毒性もありません。また、オゾンはタンパク質と化学反応を起こし、細菌の細胞膜を溶かして死滅させる性質があり、細菌の繁殖を防ぐ効果もあります。

オゾン加工は洗浄後や羽毛充填時に専用の機械を使っておこなわれます。羽毛のオゾン加工は防臭・抗菌・殺菌効果だけでなく、嫌な臭いがなくなることで、防虫・防ダニ効果も期待できます。

パワーアップ加工

羽毛が輸送される際には、圧縮して運ばれます。それを洗浄・乾燥の工程で元のふかふかの羽毛に戻す加工を、メーカーによってはパワーアップ加工と呼んでいるようです。

一方で、羽毛に樹脂でコーティングを施して弾力を出すことをパワーアップ加工としているメーカーもあるようですので、購入の前にしっかり確認しておきましょう。樹脂コーティングされた羽毛は通気性・吸湿・放湿性を損ないます。

ウォッシャブル加工

羽毛に樹脂加工を施して乾きやすくする加工方法がウォッシャブル加工です。最近では気軽に自宅で洗えることから、「洗える羽毛布団」の人気が高まっているようですが、樹脂加工された羽毛は通気性・吸湿・放湿性が損なわれ、ムレやすくなります。

防ダニ加工

羽毛に施される防ダニ加工の多くが薬品によるもののようです。多くのメーカーで人体への影響の少ない薬品を使用しているとしていますが、薬品の刺激に弱い方は注意が必要です。

重要なのは羽毛の質と洗浄です。もともとの質が高く、しっかりと洗浄された羽毛は臭いや汚れが少なく、ダニを寄せ付けません。

まとめ:ダウンの加工について注意することは?

羽毛の加工について解説してきました。

加工を施すことによる効果、メリットはありますが、デメリットもあるようです。

販売メーカーは加工を施すことで、より高品質・コストパフォーマンスの高い商品のように見せていますが、本来羽毛自体の品質が高ければ、臭いも汚れも少なく、かさを出すための加工も必要ないはずです。

ポイントは羽毛の質と、きちんと洗浄された羽毛が使われているかを見極めることです。以下にポイントをまとめましたので参考にしてみてください。

・羽毛に施す樹脂加工は羽毛の機能を損ねる可能性がある

・薬品を使う加工の場合は人体への影響について知っておくことが必要

・あまりに安価な羽毛布団は質の悪い羽毛を使って樹脂加工を施すことで臭いを閉じ込めたり、かさを出している場合がある

・羽毛の加工に惑わされず、羽毛の質(ダウンパワー)や洗浄の質(国内で洗浄されているかなど)に注目するとよい