売り文句で決めてない?羽毛布団を選ぶ前に押さえておきい3つのポイント

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羽毛布団を買おうと思ったとき、どれを買えばいいのか分からないと感じた経験のある方、いらっしゃるのではないでしょうか。
実際に多数ある羽毛製品を見たときに、多くの品質表示や証明書などが多々付けられてはいますが厳密にどれがいいか理解しきれず、結局割引や特典、売り文句に押されて購入してしまったということがある方も多いかと思います。

実際、羽毛布団は見た目にはどれも同じように見えますし、内部の羽毛を直接見たりすることができないために、多少品質の悪いものでも見せ方によって上手く販売できてしまうものでもあり、それを利用した悪質な業者も中にはいます(一時はそうした悪質な訪問販売も横行していました)。
では、日々の睡眠にも大きく関わり、価格も決して安くない羽毛布団はどのように選んでいくべきなのでしょうか。
ここでは羽毛布団の本質を見極めるための視点を一つ一つ解説していきますので、羽毛布団選びの際に大いに参考にし、納得のできる良い製品を購入するために是非役立ててください。

はじめに:理想の羽毛布団とは?

羽毛布団をどういった視点で選ぶかということの前に、理想的な羽毛布団とはどのようなものなのでしょうか。
主に冬季にしようする羽毛布団ですので、もちろん暖かさが重要であることは言うまでもありませんが、それ以外にも、軽くて寝返りが打ちやすく、湿度を適切に調整してくれて、匂いなど気にせず長い間使うことができ、メンテナンスも行いやすいものといった点がしっかり抑えられているものが理想的と言える羽毛布団です。日々の使用時に気になる点ももちろんですが、長期的に使用していくことができるかどうかも、結果的なコストパフォーマンスを考えたときには重要視したい点です。
この点を踏まえた上で、ここからは羽毛布団を構成する「羽毛」と「側生地」、側生地の構造である「キルティング」、そして誰が製造しているのかという「製造業者」について、それぞれ詳しく説明していきます。

1.羽毛(ダウン)

羽毛布団の良し悪しは9割方この「羽毛(ダウン)」に左右されると言っても過言ではないかもしれません。
この最も重要なダウンを見極めるには、単純な種類のみならず、信頼の置ける産地であるのか、保温力に影響する指標であるダウンパワーはどれくらいなのか、どれくらいの量が使用されているのか、匂いが無いよう、また長期的に使用できるようしっかり洗浄が加工がなされているのかなどを見る必要が有ります。

1-1. ダウンの種類

まずはダウンの種類についてです。これを見ることでダウンの良し悪しをざっくりと判断することができます。

1-1-1. ダックとグース

羽毛布団に使用される羽毛は、比較的寒い地域に生息する水鳥から採られたものです。
そして、流通している羽毛布団の多くは「ダック」もしくは「グース」の羽毛が使用されており、一般的にグーズダウンの方が高品質とされています。
後述しますが、羽毛布団に使用される羽毛は羽毛ひとつひとつの「ダウンボール」の大きさが大きいものがより保温力が増すため良いとされており、ダックよりグースの方が体が大きいため、高品質とされているのです。また、グースのダウンの方がより丈夫で長持ちしたり、羽毛布団に含まれるダウン以外の羽根(スモールフェザー)が細かく密着性が高いことも、グースダウンが優れていると言われる理由となっています。

1-1-2. マザーダックとマザーグース

また同じグースや同じダックの中でも、成熟したものの方が体が大きく、ダウンボールも大きくなるため質が高いとされています。それが「マザーグース」や「マザーダック」と呼ばれるものです。
これらのことから、羽毛の種類による質の高さは、下のようにダック、マザーダック、グース、マザーグースの順で段階付けられています。

実際に羽毛製品を見比べる時には、このダウンの種類が何であるのかということを後述する「ダウンパワー」と合わせて確認するのが第一と言えるでしょう。
さらにこのほかにも、ダウンの色がホワイトかシルバー(グレー)かというのも日本では重要視されることがあります。ちゃんと洗浄されていないことによって黄色がかったいるをしているものは避けるべきですが、羽毛そのものの色がどうであるかは本来品質には影響しません。が、やはり羽毛=白い印象が強いため、多くの方がホワイトダウンを選ばれるようです。

ここまで一般的なダウンの種類について説明しましたが、最後に特殊なダウンである「スティッキーダウン」と「アイダーダックダウン」について説明しておきます。

1-1-3. 特殊なダウン① スティッキーダウン

スティッキーダウンは、スティッキネス(ねばり)のあるダウンで、普通の羽毛と違って羽毛が絡み合いねばり気があるように感じられるダウンです。
このねばりはダウンの長い毛足により現れ、これがあることによって、一度温められた空気が外部に逃げづらく、高い保温力を発揮します。
より少ない量でも暖かさが出るため、一見布団の厚さが薄いのでは?と感じられることもあるかもしれません。

1-1-4. 特殊なダウン② アイダーダックダウン

スティッキーダウンと同様の性質を有していて、最高級羽毛と称されるのがこの「アイダーダックダウン」です。
アイダーダックは、アイルランドの極寒の地で、卵を温めるために自らの羽毛を利用して巣を作ります。アイダーダックダウンはこの巣からいただいた羽毛を使用した最高級品です。
価格も掛け布団シングル1枚で数100万円にのぼるものもあり、価格的にも、希少性もまさに羽毛の最高峰と言えます。

1-2. ダウン産地

次にダウンの産地ですが、産地国によって水鳥の種類が大きく変わったりするわけではないので、どの国の羽毛かというのは実際はそこまで重要というわけではありません(それよりも重要なのは結局個々のダウン自体のクオリティがどうかということです)。
それでも、管理がしっかりされているかどうかという点で比較的信頼されている国として、古くから羽毛布団を生産してきた東欧のハンガリーやポーランドがあります。
これらの国は長い歴史の中で確立された生産体制や品質管理体制が比較的しっかりとしていますので、アジアの新興諸国や中国で採れるダウンよりも信頼性が高く、品質も高いことが多いです。
産地と羽毛の質は必ずしも関係があるとは言い切れませんが、ひとつの目安として覚えておくと良いかもしれません。

1-3. ダウンパワーとゴールドラベル

ダウンパワーとは、単位としては cm3/g と表され、「1gあたりどれくらいの体積があるか」を表しているものです。これだけだと少し分かりづらいですが、数値としてはそのダウンが「どれだけのふかふか感があるか」を表したものと考えると良いと思います。
以前まで単位体積あたりどれくらいの高さがあるかという「かさ高(mm単位)」で表記がなされていたため、例えば180mmという表記を見て羽毛布団自体の厚さが180mm以上あると思い違いをしてしまったことのある方も多いかもしれませんが、ダウンパワーと布団そのものの厚さはイコールではありませんので注意が必要です。
この数値が大きいダウンを使用すると、軽いのに体積があり、ふかふかで暖かい質の高い羽毛布団をつくることが可能です。
上述した通り、ダウンボールが大きい、成熟したマザーグースなどでは一般的にこのダウンパワーの数値が大きくなります。ダウンパワーでは、この水鳥の種類以上に羽毛そのものの質を測ることができる基準と言っていいでしょう(ダックより良いとされるグースでも、未成熟なグースと成熟したダックでは成熟しただっくの方が質が高いといったこともあり得ます。その場合でも、このダウンパワーを見ればどちらの方がより優れたダウンなのかを見分けることができます)。
ただし、ダウンパワーはあくまで羽毛のふかふか感を表したものに過ぎないので、羽毛布団にする際にどれだけの量を入れるのかによって暖かさは異なってきます。
あくまで「ダウンパワーの高いダウンがどれくらい入っているのか」が最終的な羽毛自体の全体ボリュームとなってくることを覚えておいてください。
また、スティッキーダウンやアイダーダックダウンなど、ダウンパワーの数値としては現れないが、ねばりがあることによってより保温力のある羽毛布団もあることも覚えておきたいポイントです。

ゴールドラベルについて

羽毛布団製品を購入する際によく目にする「ゴールドラベル」は、日本羽毛製品協同組合が発行している、これくらいのダウンパワーがありますよ、という保証をしてくれる証明書です。
ゴールドラベルは4つの階級に分かれており、ダウンパワーの低い順にニューゴールドラベル、エクセルゴールドラベル、ロイヤルゴールドラベル、プレミアムゴールドラベルとなっています。

ゴールドラベル

ラベルが上がると当然価格も上がりますが、それだけ軽く、ふわふわな羽毛布団となっています。国内のほとんどの羽毛製品取扱業者はこのラベルを使用しており、デファクトスタンダードのようになっていますので、このラベルが付いていないものは可能であれば避けたほうが無難であると言えるでしょう。

1-4. 総充填量

羽毛布団に含まれる充填物(羽毛と羽根及びその他の塵など)の重量です。これに側生地の重量を合わせたものが最終的な羽毛布団の重さになります。
同じ羽毛で充填量が少ないともちろん保温力の低い布団となってしまいますが、多ければ暑すぎて寝づらかったり、重さで寝返りが打ちづらくなるなどマイナスとなることもありますので、適正な重量のものを選ぶことが重要です。また、ダウンボールの大きな質の高い羽毛であれば、充填量が比較的少なくても十分なボリュームのある、暖かいく、そして軽くて寝返りも快適に打つことができる羽毛布団を作ることができますので、可能であればそういった製品を選ぶのが健康にも良いでしょう。

1-5. ダウン率

羽毛布団には羽毛(ダウン)に加え、羽根(スモールフェザー)やごく少量の塵が入っています。ダウン率はこの全てを合わせた中でダウンがどれだけ使用されているかを表したもので、高ければ高いほど軽くてふわふわで、暖かくへたりづらい羽毛布団となります(※ あくまで同重量、同サイズのものと比較した場合です)。
一般的に、このダウン率が50%以上のものを羽毛布団、50%以下のものを羽根布団と言い、もちろん羽毛布団を選んだ方がよいということになります。
ダウンパワーの項目で記述しましたが、羽毛布団はどれだけダウンパワーのある羽毛がどれくらいの量入っているかが決め手となります。ダウンパワー、総充填量、ダウン率をしっかり確認し、本当に軽くてふかふかで暖かい羽毛布団なのかを見極める必要が有ります。

1-6. 洗浄の質

質の低い羽毛布団としてよく挙げられるのが、保温力がないということ以外に匂いがひどいということや、すぐにへたってしまうということがあります。
羽毛布団の匂いは、羽毛を製品化する工程で行われる洗浄がしっかりとなされていないことで、羽毛や羽根に付着しているタンパク質が残ってしまい、それらが酸化し微生物が分解するなどして発生してしまいます。
また、洗浄がしっかりされていると、質の低いダウンが除去されることによって、へたりづらく、より長持ちのする布団ができ、長い目で見てもプラスとなる可能性があります。
ですので、ダウンがしっかり洗浄されているかどうかは、どのようなダウンを使用するかと同じくらい非常に重要なポイントです。
国内の羽毛製品業界では、河田フェザー株式会社の洗浄技術が圧倒的に優れており、日本一ということでよく知られていますので、こちらもチェックしてみると良いかもしれません。

1-7. 加工の種類

洗浄の段階や、洗浄後の羽毛に対して加工が施されているものも多くあります。
例えば羽毛布団の羽毛に施される加工として有名なのがパワーアップ加工ですが、これは羽毛を高温の釜で熱することによって洗浄や輸送の段階で潰れたりしてしまっていたダウンを本来以上のふかふかの状態に仕上げるという加工です。
この他にも、タンパク質の酸化を防ぎ、匂いを防止するためのオゾン加工などがあります。
このような加工をしっかり施されていれば、元は同じ羽毛でも、匂いを気にすることなく、長期間快適に使用することができますので、チェックしてみてください。

2.側生地

羽毛を包み込む生地が「側生地」です。
側生地は羽毛布団の重さや、手触り(実際にはカバーをかけて使用する方が多いと思いますのでカバーとのずれが生じないなど)に大きく影響します。
重量に関係するということは、寝がえりの打ちやすさや身体への圧迫など健康面でも影響があるという点で重要となってきます。
この側生地は、羽毛が出てこないということはもちろんですが、軽量で、肌触りの良い(滑りづらい)生地であることを重視して選ぶことがポイントです。
生地の素材には大きく分けて「綿」と「綿と合成繊維のハイブリッド」があり、それぞれにも多くの種類が存在します。側生地はこの素材を選択することが最重要であると言っていいでしょう。以下でそれらの種類と特徴を説明します。

2-1. 綿素材

綿素材には品質に基づいた階級が様々あり、主に綿糸の「細さ」と「長さ」が重要です。
より細い綿は軽量で、なめらかな肌触りとなり、より長い綿は接続箇所が少ないことで軽量、また塵も出づらい生地ができあがります。
側生地の質を表す基準として、1インチ(約2.5cm)の間に何本の綿糸が織られているかという「打込み本数」があります。
この打込み本数が大きいほどより細い綿糸を使用しており、より軽くなめらかな肌触りのものができあがります。
(ただし、あまりに打込み本数が多いものは空気や水を通さず吸湿性などに問題が出るため、羽毛布団に使用される綿素材は打込み本数が200本程度のものまでが多くなっています。)
以下で代表的な綿生地を挙げていきます。

2-1-1. 60サテン(60本ブロード)

打込み本数が60本の綿生地です。比較的安価な製品に多く使用されており、羽毛布団には若干重い素材です。綿らしい素材感が好みの人もいます。

2-1-2. 80サテン(80本ブロード)

打込み本数が80本の綿生地です。60サテンより軽量で、ロイヤルゴールドラベル以上の羽毛布団に多く使用されています。

2-1-2. 超長綿120サテン(120本ブロード)

「超長綿」というのは読んで字のごとく「超」「長い」「綿」を使用しているということです。
より長い綿を使用していることで、軽く、塵の少ない生地になります。比較的高級な製品に使用されます。

2-2. 綿+合成繊維

技術の発達により、安価で快適な合成繊維が多く存在します。代表的な合成繊維としてはポリエステルなどが挙げられます。
合成繊維は綿に比べて軽いものが多く、その点では羽毛布団に適しています。一方ですべりやすいという特徴も持っているため、カバーがずれたりといったマイナスとなる点も持っています。一般的な羽毛布団の生地としては、単純な綿と合成繊維を組み合わせたものと、綿と合成繊維のいいとこ取りをしたハイブリッド新合繊というものがあります。

2-2-1. 一般的な綿+合成繊維

綿と人工素材である合成繊維を組み合わせて作られた生地で、軽くて比較的安価です。多くの生地は綿が30%~50%程度使用されています。
綿60サテンなど重い生地を使用するよりもかえって羽毛布団には合っているとも言えますので、価格的にも魅力を感じる方は選択肢として良いかと思います。
カバーが多少ずれやすかったりするなどの点だけは抑えておいてください。

2-2-2. ハイブリッド新合繊

上記の一般的な綿と合成繊維のいいとこ取りをした生地です。
この生地は、特殊な織り方をすることによって外側に露出している部分を綿で、内側の部分は合成繊維となるようにできています。
これによって肌触りや質感よく、またカバーがずれるなどもない上、軽量な生地を実現しています。
比較的価格が高くなってしまうのが難点ではあります。

2-3. 側生地の加工

羽毛の項目では羽毛に対する加工について説明しましたが、側生地に対しても加工が施されているものが多くあります。
その代表的なものが「ダウンプルーフ加工」と言って、生地からダウンが出てきてしまうのを抑えるための加工などです。
また、抗菌や防臭の加工を施されたものもありますので、気になる方はそれらの視点から羽毛布団を選択するのもひとつの手かと思います。

3.キルティング

羽毛と側生地をどのように組み合わせるのかが「キルティング」です。
これにより実際に寝たときの暖かさが大きく変わってきます。
キルティングには主に以下のようなものがあります。

3-1. タタキキルト

二枚の布を単純に縫い合わせた形になっています。
縫い合わせた部分には羽毛が入らないため、その部分から熱が逃げていくという難点があります。

3-2. 立体キルト

タタキキルトの縫い合わせ部分にマチを作り、立体的にすることで熱を逃げづらくした構造のキルティングです。羽毛布団で最も使われているキルティングです。

3-3. 二層キルト(ツインキルト)

羽毛布団を上下2層に分け、マチの部分がずれるように作られたキルティングです。
この構造により、立体キルトよりもより熱が逃げづらく、快適な暖かさを実現しています。

3-4. 二枚合わせ(ダブルキルト)

二枚合わせは、厚さの異なる立体キルトを2枚、取り外し可能なように組み合わせたものです(厳密にはキルティングとは言えないかもしれません)。
また、組み合わせた時のマチの部分が上下でずれるように作られているため、二層キルトと同等もしくはそれ以上の保温力があります。
何よりこの構造によって、年中羽毛布団を快適に使用することができるのが大きな特徴です。

マス目の大きさについて

製品によってキルティングのマス目の大きさ、数がことなっています。
大きずぎると中の羽毛が偏り、熱が逃げやすい部分ができたり、細かすぎると側生地の重量が増してしまうため、適切な大きさが求められます。
市販されてる製品はその点考慮されているものが多いと思いますので、そこまで気にする必要はないかもしれません。
それ以上に、断面がどのような構造になっているかをしっかり認識することが重要です。

まとめ

羽毛布団を選ぶ際の視点を解説してきました。
項目が多いなと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
そこが羽毛布団の難しさであり、宣伝文句などによって間違った選択をしてしまう原因でもあります。
結論としては、派手な宣伝文句に騙されるのではなく、
・どのくらいのダウンパワーのダウンが
・どのくらい入っているのか
・洗浄や加工はしっかり行われているのか
そして
・どのような素材、構造の側生地に入っているのか
を最低限抑えておけば大きな失敗は少なくなります。
見た目の宣伝文句や営業トークに騙されることなく、本当に質の良い羽毛布団をリーズナブルな価格で購入し、長い間快適に使用して欲しいと思います。

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