押し入れに入れるだけじゃダメ? 羽毛布団を上手に収納するコツ

2022年3月21日

押し入れに入れるだけじゃダメ? 羽毛布団を上手に収納するコツ

ふわふわであたたかな羽毛布団。冬は欠かせないものですが、シーズンが終わるとそのボリュームとデリケートさが難点に。

使わない間はさっさと押入れに詰め込んで、あとは放っておこう! なんて思っている方、ちょっと待ってください! 羽毛布団にとって、ただ押入れに入れるだけの収納はよくありません。

ダメになってしまったからといって次々と買い替えできるほど、羽毛布団は安い品物ではありませんよね? 正しく収納して、少しでも長く快適に使いましょう。今回は羽毛布団に最適な収納方法と便利グッズをご紹介します!

1. どうして押入れに入れるだけじゃダメなの?

特別汚れが目立たない場合でも、布団は就寝中の汗や、垢、フケなどで汚れています。きちんと手入れをしてから収納をしないとカビが生えたり、ダニが発生したりすることも。

カビやダニはアレルギーの原因にもなり、健康にも影響があるので心配です。また、気をつけて収納しないと羽毛がへたってしまい、次に使うときに保温力が弱まってしまうこともあるのです。

【正しく収納しないとこんなことに…】

  • カビが生える
  • ダニが発生
  • 臭いが気になる
  • 羽毛がへたってしまう

2. 羽毛布団を収納するための準備

収納する前に、まずは収納場所の環境を整えましょう。湿気がこもりやすく風通しの悪い押入れやクローゼットは、デリケートな羽毛布団にとって快適な環境ではありません。

布団を入れる前にできるだけ湿気をとること、空気の通り道を確保することがポイントです。

2.1 まずは押入れの環境を整えましょう

まずは押入れの環境を整えましょう

2.1.1 不要な物を処分する

不要な物を処分する

最初に押入れの中の不要な物を処分して、スペースを確保することから始めましょう。何年も使用していない押入れに入れっぱなしの古い布団やぬいぐるみなどは、カビが生えていたりダニの温床になっていたりすることがあります。アレルギーの原因となり、健康にも良くありませんので処分したほうがいいでしょう。

また、ほとんど使用しない客布団も思い切って処分して、買い替えを検討するあるいは貸布団を利用するのもひとつの手かもしれません。

※不用品の処分については、各自治体の規定に従ってください。

【お客様用にピッタリ!】
・綿布団セット(掛敷枕付き)シングルサイズ 

ダニを寄せ付けない抗菌防臭・防ダニ マイティトップII使用のお布団セット。お手頃価格なのでお客様用に一組用意しておくのもよいですね。

【布団レンタル】
布団レンタル 山下寝具株式会社
ハッチふとんレンタルサービス

2.1.2 カビの除去

カビの除去

不要な物を取り出したら、掃除をする前に押入れの中にカビが生えていないかチェックをしましょう。カビが生えているのに掃除をしてしまうとカビの胞子を広げることになってしまいます。

押入れやクローゼットの中だけでなく、しまっていた荷物にもカビが生えていることがありますので、よく確認してください。

少しのカビであれば、固く絞った雑巾で拭き取れば除去することができますが、カビの色がつくほどのひどいものは、台所用漂白剤を使って漂白をする方法があります。

ただし、壁の色が変色したり材質を痛めてしまったりすることもありますので、正しいやり方をリサーチしてから作業をおこなってください。

【参考】カビの対策・除去

【便利グッズ】

バイオ 押入れのカビきれい(押入れの天井に貼る防カビ剤)

2.1.3 掃除をする

掃除をする

カビを拭き取ったら、押入れの中を掃除しましょう。押入れの中を空にして隅々まで掃除をするのがベストです。

押入れやクローゼットは普段扉を閉じているので汚れることがないと思っている方も多くいらっしゃるかもしれませんが、布団や洋服からは綿ぼこりが出ますので意外とホコリの温床になっています。掃除をしないで布団をしまうと、ホコリが布団に付着してしまいます。

ホコリにはカビや雑菌、アレルギーの原因となるダニの糞や死骸が潜んでいますので、アレルギーの方は特に念入りに掃除をしましょう。

【押入れ掃除のコツ】
① 可能であれば、すべての物を出して空っぽの状態にする

他の物にホコリがかかってしまいますので、できれば空っぽにして掃除をしましょう。

② 上の方から下へ、奥から手前へ

ホコリは上から下に落ちてきます。上の方から始めて下で終わり、奥の方から手前にホコリを集めると効率的です。天井や壁も忘れずに掃除をしましょう。

③ ホコリが舞い散らないようにやさしく拭き取る

ホコリは空気の動きで舞い上がりますので、掃除用ワイパーなどを使ってホコリを絡め取ってやさしく拭き取ることがおすすめです。水拭きするときには、固くしっかりと雑巾をしぼってからおこないましょう。掃除中にホコリを吸い込まないようマスクをすることも大切です。

2.1.4 乾燥させる

掃除で水拭きをした後は、特に念入りに乾燥をさせましょう。湿り気が残っている状態で布団をしまうことは避けましょう。扇風機をあてると早く乾きます。

2.1.5 除湿剤を置く

湿気のたまりやすい押入れには除湿剤を置きましょう。押入れやクローゼットの隙間に入れられる棒状のタイプや、シートタイプのもの、押入れ用のコンパクトな除湿機もあります。水がたまったら取り替えることをお忘れなく。夏場や梅雨だけでなく、加湿器を使用する冬も湿度が高くなりますので、注意が必要です。

【便利グッズ】
除湿棒 押入れ用70
コンパクト除湿機 カラッと爽快
・除湿シート 湿気取りシート 除湿センサー付き

2.1.6 空気の通り道を作る

すのこを敷くというのが一般的ですが、掃除がしにくくホコリの温床になりやすいという難点もあります。可能であれば、布団は上段に収納し、押入れの下段にはキャスター付きの引き出しなどを使用して、空気の通り道をつくるように工夫するといいでしょう。

なるべく押入れを閉めっぱなしにせず、時々開けて風を通すことも大切です。

2.2 押入れの環境を整えるために普段から気をつけること

普段から押入れの環境を整えることも大切です。少しの工夫で湿気を減らしたり、清潔に保ったりすることができます。

2.2.1 起床してすぐに布団をしまわない

布団には就寝中にかいた汗で湿気がこもっています。起床してすぐにしまうと押入れに湿気がこもってしまいますので、起床後1時間くらい置いて湿気を飛ばしてから押入れに入れるようにしましょう。

2.2.2 除湿剤をこまめに取り替える

水のたまった除湿剤は除湿効果が得られません。頻繁に点検をして、こまめに取り替えましょう。

2.2.3 押入れは物を詰めすぎないようにする

物でぎゅうぎゅう詰めの押入れは空気の通り道がありませんので、湿気がこもりやすくなってしまいます。不要な物はすぐに処分をするクセをつけて、押入れを物であふれさせないよう日頃から気をつけましょう。ある程度空間を作って、風通しが良くなるように工夫をすることが大切です。

押入れやクローゼットの容量の約8割程度が理想です。

2.2.4 掃除がしやすくなるよう工夫する

掃除がしやすくなるよう工夫をすることも大切です。掃除のたびにすべての物を取り出すのは大変です。キャスター付きのチェストや、ある程度まとめて荷物を入れておけるボックスなどを使うと手間がかからず、掃除がしやすくなるので押入れの中を清潔に保つことができます。

また、掃除が行き届いてきちんと整理されていれば押入れを開けておいても雑然とはしないので、来客時以外は常に押入れの扉を開けっ放しにしておいて風通しを良くすることもできます。

3. 羽毛布団の最適な収納方法

羽毛布団の最適な収納方法

押入れに収納する準備が整いました。ではさっそく羽毛布団を収納していきましょう。

3.1 羽毛布団を収納するコツ

3.1.1 干して湿気を除去

干して湿気を除去

まずは日に干して乾燥させましょう。干すときにはカバーを外さず、つけたままにしておいてください。直射日光による側生地やダウンの劣化を防ぐことができます。

中のダウンが傷んでしまうので叩くのはNGです。ホコリは叩いて取り除くのではなく、掃除機で吸い取りましょう。

【羽毛布団の干し方】

羽毛布団はもともと吸湿性・発散性にすぐれているので、長時間日に当てる必要はありません。雨が降った翌日や朝夕の湿気の多い時間帯を避けて午前10時から午後2時ごろまでの約2時間程度で十分乾燥できます。途中で一度裏返して干すとさらに効果的です。

3.1.2 掃除機をかけてホコリをとる

掃除機をかけてホコリをとる

日干しをしたら、表面のホコリやダニの糞、ダニの死骸などを掃除機で吸い取りましょう。専用ノズルを使うと清潔におこなえます。

【便利グッズ】
Panasonic 掃除機別売部品ノズル ふとん清潔ノズル MC-FU1

3.1.3 布団が汚れているときはクリーニングに出す

クリーニング

食べ物や飲み物のシミなど汚れが気になるときには、クリーニングに出しましょう。ただし、側生地の劣化や羽毛へのダメージがありますので頻繁におこなうのはおすすめできません。

側生地の汚れがひどく、取り替えたいという場合は打ち直しに出すという方法もあります。中の羽毛は取り替えずに側生地の取り替えだけでも対応してくれる業者もありますので探してみるといいでしょう。

【側生地交換】
羽毛ふとん専門工房

3.1.4 布団カバーを洗う

布団カバーを洗う

布団カバーは汗や皮脂が付着して汚れています。布団から取り外して洗っておきましょう。汚れたカバーをつけたまま収納すると布団の側生地にも汚れがついてしまいます。また、臭いの原因にもなります

【高密度 防ダニ敷き布団カバー】
・日本製 高密度 防ダニカバー 敷き布団カバー シングルサイズ

3.1.5 押入れをしっかり乾燥させておく

押入れをしっかり乾燥させておく

前項「まずは押入れの環境を整えましょう」を参考にしていただき、布団に湿気がこもらないよう押入れをしっかり乾燥させてから羽毛布団を収納しましょう。

3.1.6 収納袋に入れて押し入れに入れる

ホコリがつかないように収納袋に入れましょう。湿気がこもりにくい通気性の良い布や不織布などを使用した収納袋がおすすめです。

ボリュームを適度に抑えて収納できる羽毛布団用の収納バッグなど便利なグッズもあります。使わなくなったシーツを利用するのもいいでしょう。中に防虫剤を入れる場合は羽毛にニオイがうつらないよう、ニオイがきつくないものを選んでください。布団圧縮袋は羽毛を傷めてしまいますので使用は避けましょう。

【便利グッズ】
羽毛布団を薄く収納するケース(紺)
日本製 防虫・防カビ・抗菌防臭加工 羽毛布団袋(強力消臭&除湿シート付) リーフ グリーン

3.1.7 重ね順に注意する

重ね順に注意

羽毛布団は羽毛がつぶれてしまうので、上に重い布団などを置かないように気をつけましょう。押入れの中の湿気は上から下にたまるので、つぶれやすく湿気を嫌う羽毛布団は一番上に置くことがおすすめです。

3.1.8 使わない季節でも時々取り出して干す

羽毛布団を使わない季節でも時々干すようにしましょう。月に2回程度干すことが理想です。湿気を飛ばして乾燥させることで、カビの予防になるほか、ダニの繁殖を防ぐこともできます。

3.2 羽毛布団の収納に圧縮袋はNG!

布団のかさを減らしてたくさん収納することができる布団圧縮袋。とても便利なグッズですが、羽毛布団を収納するときには使用を避けましょう。

羽毛布団は、詰めてある羽毛のダウンボールひとつひとつが空気を含むことであたたかさを保っています。圧縮袋を使用するとそのダウンボールがつぶれてしまい、空気を含めなくなってしまいます。それにより保温力が落ちてしまうのです。

ビニール製なので通気性も良くありません。また、側生地に与えるダメージも大きくなります。やむを得ず使用するときは、完全に圧縮せずに使用し、時々袋から出して羽毛布団の湿気を飛ばす工夫をしましょう。

4. 収納していた羽毛布団を使うときにすること

収納していた羽毛布団を使うときにすること

長期間押入れやクローゼットに収納していた羽毛布団は、湿気を含んでいますので日に干したり乾燥機にかけたりして、しっかり乾燥させてから使用しましょう。

日干しや乾燥の後は、掃除機をかけてダニの糞や死骸を吸い取ります。しっかりダニを駆除したいときには高温乾燥してくれるクリーニングサービスを利用するのがおすすめです。(※ただし、羽毛や側生地が傷むので頻繁にすることはおすすめできません。汚れが気になる方は収納する前か後どちらか、それほど気にならない場合は2〜3年に1度を目安にしてください。)

干す時にはしっかりと空気を含ませるように干しましょう。空気を取り込むことで、保温力を保持できる、ふっくらとした羽毛布団に戻ります。

5. まとめ

いかがでしたか?すぐに実践できそうな収納方法やアイディアはありましたか?

品質の良い羽毛布団を購入したのに収納方法が悪くてダメにしてしまった、なんてことは避けたいですよね。羽毛布団を収納するときのポイントをもう一度おさらいしておきましょう。

・羽毛布団は湿気が大敵

・まずは収納場所の環境を整える!

・収納するときは通気性、湿度に注意

・重ね順にも気をつける

・布団圧縮袋は使わない

・使うときには一度乾燥させる

ぜひ参考にしてみてください。今年の冬も快適に羽毛布団を使いましょう!