羽毛布団をクリーニングするタイミングとお店選びの注意点

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

羽毛布団のクリーニング

購入してから、しばらく洗っていない羽毛布団は、カバーの洗濯や日干しをしていても、なんとなく溜まった汚れが気になるものですよね。毎日使っていれば、表面的には綺麗に見えても、やはり少しずつ中の羽毛は汚れを吸着しています。一般的に、どのくらいの間隔でクリーニングに出すのが良いのでしょうか?

また、ひと口にクリーニングといっても、幅広く請け負うクリーニング店から、布団丸洗い専門といった看板を掲げているところまで、洗い方や料金は様々です。意外と知られていませんが、実はどんな業者を選ぶかによって、羽毛布団に与えるダメージや仕上がりには大きな違いがあるのです。

いつ、どんなタイミングで、どのような業者を選んだら良いのか、羽毛布団のクリーニングにまつわる疑問や注意点について解説します。

1.クリーニングの適切なタイミング

適切なタイミング

羽毛布団のクリーニングの間隔については、羽毛の品質や日頃のケア、個人的な衛生感覚に左右される部分も大きいところですが、ここでは、お布団の快適な機能を維持するという観点から、クリーニングのメリット、デメリットをふまえ、適切なタイミングを解説します。

1−1クリーニングのメリット

クリーニングのメリット

羽毛布団は、吸湿、放湿の両方に優れているため、意外と手間をかけなくても快適さが保たれる寝具です。きちんとカバーを掛けて、こまめにカバーの洗濯と月1回程度の布団干しをおこなっていれば、数年使用しても、本体に大きな汚れを感じることはないでしょう。

しかし、外見が汚れていなければ、中身も汚れていないのでしょうか?答えはNOです。確かに、本来持っている高い放湿性や日干しによって、汗に含まれる水分は発散できます。しかし、水分以外のわずかな皮脂や塩分、アンモニア分、また、埃やチリなどは、発散されてなくなるようなことはありません。それらは、時間をかけて、ゆっくりと布団の中に浸透し、保温性の鍵を握るダウンボール(タンポポの種子の綿毛のような形をしている羽毛)に少しづつ絡み付いていきます。汚れでコーティングされるにつれ、ふんわりと放射状に広がっていた羽枝が次第にくっつき合い、ふくらみを失ってゆきます。これが、汚れの蓄積によって起るへたりと保温性低下の原因です。こういった機能の低下を解消するために、適度なクリーニングが効果を発揮するのです。

1−2クリーニングのデメリット

クリーニングのデメリット

日々、蓄積する汚れを考えると、頻繁にクリーニングしたいという方もいらっしゃるでしょう。しかし、羽毛布団のクリーニングでは、汚れを落とす効果と同時に、羽毛や側生地を傷めるというデメリットも背中合わせにあることをふまえなければなりません。

本来、動物の羽である羽毛は、油分を含んでいます。羽毛の洗浄工程において、余分な油分は取り除かれますが、吸湿発散性や羽枝の保護のために、わずかな油分は残して仕上げています。クリーニングによって、この油分が落とされると、ダウンボールが壊れて小さくなり、かさ高や保温性が低下します。また、羽毛を包んでいる側生地は、わずかな隙間からダウンが飛び出さないようにダウンプルーフ加工(目つぶし加工)を施し、最小限の通気性のみ保たれるようになっていますが、洗浄から乾燥までの工程を繰り返すことにより、織が弱くなると、通気性が大きくなった生地から羽毛が飛び出すようになってしまい、布団の寿命を縮めることにつながります。

1−3どれくらいの間隔がベスト?

ベストな間隔は?

ではメリットとデメリットをふまえ、どれくらいの期間使ったら、クリーニングすればよいのでしょう?ダメージリスクを考えると、なるべく回数は少ない方がよいのですが、汚れが蓄積した期間が長すぎると、次第に酸化して落ちにくくなります。また、汚れは経年劣化の進行を早めるため、側生地が傷んでクリーニング自体が難しくなる場合もあります。日頃のケアを適切におこなっていることを前提としたうえで、総合的に判断すると、一般的な羽毛布団のクリーニングの目安は3〜5年に1回程度がベストです。

1−3−1個人差はふまえて

カバーを掛けずに使用している方は、側生地が吸い取った汚れがそのまま羽毛に浸透します。ワンシーズンの使用で目立つ汚れが発生し、クリーニングが必要になってしまいますので、必ずカバーを掛けて使用して下さい。また、汗かきの方や皮脂の分泌が多い方、喫煙の習慣がある方は、目安よりも汚れるスピードが早くなりますので、1〜2年差し引いて考えて下さい。逆に、日頃からこまめにケアしている方は、1〜2年プラスして考えても大丈夫です。

1−3−2こんな状態を感じたら

期間はあくまでも目安です。手持ちの布団の状態が、

・干してもふくらみが回復しなくなってきた

・布団が冷たく感じる

・匂いが気になる

・側生地の襟元などに目立つ汚れがある

などの状態であれば、クリーニングのタイミングと判断して下さい。

1−3−3片付ける前?使う前?

シーズンオフの収納時にクリーニングしてから片付けるのと、オンシーズンの使用前にクリーニングに出すのでは、どちらが良好な状態を保てるかについてもふれておきたいと思います。シーズンが始まる前にクリーニングすると、使い始めが心地よく感じられるかもしれませんが、保管中は、どうしても通気が悪くなりますので、布団の中の汚れが匂いの原因になることもあります。また、時間が経つことで汚れが定着することを考えると、やはりシーズン終わりにクリーニングしてから片付けることをお薦めします。

2.クリーニングの正しい知識

クリーニングの正しい知識

羽毛布団のクリーニングおいて、ダメージリスクが伴うことは先ほど述べた通りです。頻繁にクリーニングしない分、どんなお店に出すかについては、しっかりと考えたいものです。

残念ながら、全てのクリーニング店が、羽毛布団に関する豊富な知識を持っているわけではありません。専門的な知識のない業者に出してしまい、思ったような仕上がりにならずトラブルになるケースもあります。長く大切に使いたいと考えるのであれば、羽毛布団専用の洗い方にこだわっているお店を選ぶことが重要です。

ぜひ羽毛や側生地を傷めないクリーニング方法について知識を深め、適切な業者を選ぶ手がかりにしてください。

2−1洗濯表示に「ドライ」とあるけれど・・・

j53

羽毛布団についている洗濯表示において、製造メーカーが表示しているクリーニング方法の多くはドライクリーニングとなっています。しかしこれは、家庭での洗濯によって生じるトラブルを避けるため、専門店でのクリーニングを薦める意味合いで使用されているのが実情です。

昔は、羽毛を傷めるため、水洗いはできないという考えが一般的でした。しかし、ここ数十年で、羽毛布団のクリーニング技術は格段に向上し、ダメージを最小限に抑えて水で洗う、ふとん丸洗い専門店が登場しました。

実際、ドライクリーニングと丸洗い(水洗い)では、どちらが羽毛布団に適しているのでしょう?

2−2実はドライクリーニングは不向き!?

ドライクリーニングは、石油系の溶剤を使用して洗うため、汗などに含まれる水溶性の汚れは落ちないばかりか、羽毛の表面を保護しているわずかな油脂分を落とすことになり、羽枝が乾燥して枝羽になり、ダウンボールが壊れる原因になります。繰り返すと、どんどんかさ高が減り、温かさを失ってしまいます。また、空気を含んだ布団の中まで溶剤が浸透しにくく、気になる匂いや羽毛の汚れがとれない場合もあります。

2−3よく聞く丸洗い(水洗い)ってどんな方法?

Internal view of an empty washing machine drum during wash

Internal view of an empty washing machine drum during wash

丸洗いとは、その名の通り、布団をまるごと水で洗うクリーニングです。丸洗い(水洗い)のメリットは、寝具の汚れの9割を占めるといわれる水溶性の汚れ(汗、皮脂、尿、血液、フケ、垢、埃など)をスッキリと落とせることと、布団専用のプログラムとして開発されているため、布団に合った洗い方が導入されているお店が多いということです。

j109

そもそも、羽毛は水鳥の羽ですので、水洗いによるダメージはほとんどありません。日本の洗濯表示(JIS)にはありませんが、海外の洗濯表示(ISO)には、「クリーニング店による水洗い」を意味するウェットクリーニング(Wを◯で囲んだマーク)の絵表示があり、海外の布団メーカーにおける羽毛布団の洗濯表示では「ドライクリーニング不可、業者による水洗い」が推奨されています。世界基準でも、羽毛は水洗いクリーニングが基本なのです。

ただし、側生地がシルクなど、水洗いできない羽毛布団もあります。後述しますが、そのような場合は、ドライクリーニングになりますので注意しましょう。

2−3−1ウォッシャブル表示

washable_down

最近、肌掛け布団や合い掛けなど、羽毛の充填量が少ない薄手の羽毛布団では、家庭用の洗濯機にも入るため、ウォッシャブル表示のものが増えてきています。ウォッシャブル加工とは、乾燥しやすいように側地や羽毛が撥水処理されたものです。未処理の物に比べると、水洗い後の乾燥性が格段に向上し、容易になっています。クリーニングのコストがかからず、手軽に洗えると人気です。

3.羽毛布団を傷めない洗い方とは?

59a91c8e4b7c20cb92fedb8083dd5de6_m

羽毛布団に適している丸洗い(水洗い)ですが、業者によって、使う洗剤や洗濯水の温度、洗い方、脱水方法、乾燥の仕方は様々です。羽毛に特化し、洗濯後のダウンボールの損傷を検証した結果に基づいて工程を管理している業者の洗い方をみてみましょう。

3−1ふとん店から始まった丸洗い専門店の「フレスコ」

30年の歴史をもつ丸洗いのパイオニアといわれる専門店です。側生地メーカー、充填物メーカー、布団メーカーとともに、羽毛布団を繰り返し洗浄した後のダウンボールを検証し、ダメージを最小限にした洗い方を考案しています。この結果、羽毛をより傷めないクリーニング方法は水洗いということが実証されています。

フレスコでは、羽毛布団に含まれる空気を抜き、側生地やダウンボールが損傷しないように、すし巻きにして洗います。この方法は、羽毛の片寄りも防ぎます。アルカリ性の洗剤では羽毛の主成分ケラチン(タンパク質)が溶けてしまうため、中性洗剤を使用します。また、羽毛が飛び出さないよう密に織られた側生地の性能を守るため、洗濯中の摩擦を防ぎ、生地の縮みや劣化を防ぐ浴中平滑剤を使用し、わずかな通気性しかない生地を通過できる粒子の小さな加工剤で、羽毛に油脂を補っています。乾燥工程では、水分を含んだ状態の羽毛布団を回転式の乾燥機に入れると側生地を傷めるため、平面乾燥機で乾かします。最後に、中の羽毛をほぐすために回転式の乾燥機を使います。羽毛は、自然環境の中で、寒くなると綿毛をふくらまして温度調節をおこないます。乾燥後の熱を持ったままの状態では、ダウンボールがしぼんだままになってしまうので、最終工程で冷却し、羽毛をふくらませるという仕上げのケアまで念入りにおこなっています。この結果、フレスコの丸洗いでは、10回洗浄後でもダウンボールが大きく広がり、ダメージがほとんど見られません。

洗剤、洗い方の工夫、乾燥時の配慮、仕上げ方まで、さすが専門店と言えるだけの工夫があります。裏付けのある洗い方なので、このようなお店に依頼すれば安心です。

4.品質重視のお店選びのポイント

品質重視のお店選び

フレスコに限らず、羽毛に特化した洗い方を採用している専門店のこだわりから、効率よりも仕上がり時の品質を重視しているお店をチェックするポイントをまとめてみました。

・単品で、個別に水洗いしている。

・すし巻にして洗う、低回転で時間をかけて洗うなど、羽毛の片寄りや側生地に配慮した洗い方を採用している。

・羽毛布団専用の中性洗剤で洗っている。

・側生地の劣化防止や羽枝の保護のための加工剤を加えている。

・水気を含んでいる段階では平置き乾燥機、仕上げに羽毛をほぐす回転式の乾燥機を使用するなど、布団に負荷がかからない工程で乾燥している。

・寝具店やメーカーなど、専門知識のある業者(またはそれらとタイアップして)がおこなっている。

・羽毛布団に特化したプログラムを採用している。

これらの要素は、安心できるお店選びの基準になります。参考にしながら、チェックしてみて下さい。

5.クリーニングの気になるあれこれ

クリーニングのあれこれ

品質以外にも、料金や、かかる時間、便利なサービス、注意点など、クリーニングにまつわる気になることは様々です。よくある疑問にお答えします。

5−1料金の相場は?

料金の相場

ふとん丸洗いの価格の相場は4000円〜6000円です。サイズを問わない料金設定のお店や、2枚、3枚と枚数が増えるごとに割安になる価格設定をしているところもあります。また、布団1枚あたりの価格設定があるところと、指定パック1個あたりで枚数に関わらず定額の料金設定のところがあります。自分が出したい布団の数によって、どれが割安になるか比較検討してみて下さい。

5−2どれくらいの期間がかかる?

シーズン中にクリーニングしたいと思った時などは、どれくらいの期間で戻ってくるのかが気になるところです。おおよその目安として、1〜2週間が平均的です。長いところでは、3週間〜1ヶ月かかるお店もあります。

5−3丸洗いできない羽毛布団もあるの?

NO

側生地がシルクの羽毛布団は、水洗いできません。また、縫い目が接着剤仕上げのノンキルト加工の羽毛布団は、接着剤がはがれて中の羽毛が片寄る可能性があるため洗えません。他、側生地にほつれや破れがある場合も、洗浄中に羽毛が飛び出たり、破れが広がる可能性があるため丸洗いできません。

5−4落ちない汚れはある?

ドライクリーニングでは、油汚れや埃は落とすことができますが、汗汚れなど水溶性の汚れを落とすことはできません。また、10年ぐらい使用した羽毛布団をみると、襟元の方に、濃い黄ばんだ汚れがついていることがあります。これは、皮脂や汗の成分が浸透した上に、経年変化で汚れが酸化した状態です。ここまでくると、クリーニングに出しても落ちない場合があります。そんなときは、リフォームをお薦めします。

 5−5インターネットのクリーニングサービス

インターネットのクリーニング

布団丸洗いの専門業者が近くにない場合、インターネットで申し込むクリーニングもあります。ホームページより申込みをおこなうと、布団を梱包するキットが送られてきます。中に布団を入れて、所定の事項を記入し送ると、約1週間から10日ほどで仕上がって戻ってきます。大きな布団をクリーニング店に持ち込む手間も省けます。専門店としての豊富な知識に加え、全国から依頼を受けている多数の実績があるので、安心できる便利なサービスです。ただし、顔が見えないやり取りになりますので、必ず利用者の口コミはチェックしてから、業者を選定しましょう。

5−6専門店ではないけれど・・・身近なお店に出すときの注意点

「インターネットで見知らぬ店に出すのは抵抗がある」という理由で、最寄りのクリーニング店に依頼する場合は、専門店ではない分、羽毛に関する知識が不足している場合があります。トラブル回避のために、水洗いなのかドライクリーニングなのか、気になっている汚れが落ちるかどうか、クリーニング後の匂いはどうかなど、後々トラブルにならないよう、思い当たることは事前に全て相談、確認しておきましょう。

また、主に衣類のクリーニングを請け負っているお店では、布団クリーニングを受付けていても、自社ではなく、丸洗いの設備が整った業者へ外注している場合があります。料金もやや割高になったり、時間が少し長めにかかることは想定しておきましょう。

 

6.羽毛布団のクリーニングまとめ

サマリー

いかがでしたか?羽毛布団のクリーニングは、頻度が少ないため、意外と知らないことが多かったのではないでしょうか。

これまでの内容を簡単にまとめると、

・一般的な羽毛布団のクリーニングの間隔は3〜5年に1回程度。
・数年使った羽毛布団のクリーニングは、水で洗う丸洗いが適している。
・丸洗い(水洗い)は、羽毛布団に特化した洗い方を採用している専門店を選ぶ。
・側生地がシルクやノンキルト加工の羽毛布団など水洗いできないものの場合は、ドライクリーニングと指定する。
・料金の相場は4000円〜6000円、平均的な期間は1週間〜2週間。
・便利なインターネットでの布団クリーニングサービスもある。
 と、なります。
適切なクリーニングをおこなうと、布団はふくらみを回復し、温かさもよみがえります。
羽毛布団の快適な機能を取戻すひとつの方法として、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。