羽毛の充填量はどれくらいがいいの?羽毛布団を購入する前に知っておくべきポイント

2022年3月21日

羽毛の充填量はどれくらいがいいの?

羽毛布団に詰められている羽毛の量「羽毛充填量」は、適正な量であるかどうかが大変重要です。

購入前に羽毛の適正量を知っておくと、羽毛の機能を最大限に生かした品質の高い羽毛布団を見極めるのにとても役立ちます。今回は羽毛の充填量について解説します。

羽毛がたくさん詰めてあるほど暖かい?

羽毛布団に羽毛がたくさん詰められているほど暖かそうですが、実はそうとは言えないんです。適正量の羽毛が入っていない羽毛布団にはどのような問題があるのか、まとめました。

◉羽毛の充填量が少なすぎると…

・保温性が悪く寒い

・軽すぎて寝ている間に布団が動いてしまう

・使っているうちに羽毛が減ってしまう

羽毛が少なすぎると保温性が悪くなりますが、だからといって多すぎるのもよくありません。

◉羽毛の充填量が多すぎると…

・体にフィットせず、冷たい空気が入ってしまう

・キルトのマス目に空気が入らないので保温性に劣る

・重さを感じて寝苦しい

・通気性が悪くてムレる

・たくさん詰め込まなければかさが出ない粗悪な羽毛を使っている可能性もある

羽毛の適正充填量は?

では、羽毛布団の羽毛の充填量はどれくらいが適正なのでしょうか?消費者である私たちはそれをどのように見極めればいいのでしょう?

羽毛の適正充填量は特別に定められた規格はなく、一般的にシングルサイズ1.0~1.2kg、ダブルサイズで1.3~1.6kg、春秋用の合掛けふとんで0.6~0.8kg、夏用の肌がけ布団で0.2~0.4kgが適正量と言われているようです。

ただ、この量は羽毛の品質などにより微妙に変わってきますので、一概に言えるものではありません。

たとえば、羽毛ひとつひとつのダウンボールが大きく、かさ高の高い質の良い羽毛なら少ない量で充分な保温性を発揮できますが、ダウンひとつの大きさが小さく、ボリュームが出にくい羽毛の場合は、保温性を高めるためによりたくさんの量が必要になります。

最近では羽毛の原毛価格の高騰や、機密性の高い住宅が増えたことなどが背景にあり、昔よりも充填量が少ない羽毛布団が増えているようです。

羽毛の適正充填量は何で決まる?

羽毛の適正充填量を決める要素について詳しく見ていきましょう。

ダウンパワー

前項でお伝えしたように、羽毛ひとつひとつの大きさが大きく、ボリュームがしっかりある質の良い羽毛を充填する場合は、少ない量でも保温性を出すことができます。

つまり、質の良い羽毛ほどより少ない量で充分暖かいということです。ダウンパワーとは羽毛のふくらみ具合を数値化したもののことです。日本羽毛製品協同組合が発行しているゴールドラベルを目安とすると分かりやすいかと思います。

キルトのマス目の大きさ

キルトのマス目が大きいほど羽毛の片寄りを防ぐためにたくさんの羽毛を充填する必要あります。小さなマス目の場合は少ない量でも羽毛が片寄らず、マス目の中にたくさん空気を含むことができますので、マス目が小さい側生地ほど、少ない充填量でより保温性の高い布団になります。

側生地の重さ

側生地が重いと羽毛を圧迫するため、かさを出すためにたくさんの羽毛を詰める必要があり、羽毛の量が多くなります。生地が軽ければ、詰める羽毛の量が少なくて済みますので、側生地のキルト内部に空気の層ができ、少ない充填量でより保温性に優れた布団になります。

使う人の体質や住宅の機密性・断熱性

最近は、使う羽毛や側生地、充填する羽毛の量を調整してオーダーメイドで羽毛布団を製作しているメーカーもあります。オーダーメイド布団では、使う方の体質や住宅の機密性などを考慮に入れて羽毛の充填量を決めるようです。

暑がりの方や、機密性が高く冬でも暖かい住宅に住んでいる方には、羽毛の量を少なめに調整するとより快適な布団になります。

適正量の羽毛が詰められている羽毛布団を見極めるには?

羽毛の理想の充填量は、側生地の中に空気が入るくらいの量です。

見るからにパンパンに羽毛が詰め込まれていたり、「羽毛増量」とうたっていたりする羽毛布団は要注意です。たくさん詰め込まなければかさが出ない未熟なダウンを使っている可能性があります。

羽毛の量が適正かどうかを見極めるには、布団を押してみて、その戻り具合をみるといいでしょう。

羽毛には跳ね返るような弾力はありません。押してみてすぐにすぐに戻ってくるような弾力があるときは、羽毛が詰め込まれすぎている可能性があります。手で押して、じわじわとゆっくり戻ってくる羽毛布団が理想です。

まとめ

羽毛布団の羽毛充填量について理解していただけましたでしょうか。

羽毛の量も羽毛布団の性能や質にかかわる重要な要素です。適正量に明確な基準がないのは難しいところですが、一般的に言われている適正量を目安に羽毛の質やキルトのマス目の大きさなど、さまざまな条件を考慮に入れて羽毛布団を選んでみてください。では、今回の内容をまとめておきましょう。

・羽毛布団の羽毛充填量は羽毛布団の質を決める重要な要素

・羽毛の充填量が多すぎると体にフィットせず寒かったり、通気性が悪くなったりして羽毛布団の良さを発揮できない

・適正量の目安は、シングルサイズで1.0~1.2kg、ダブルサイズで1.3~1.6kg、春秋用の合掛けふとんで0.6~0.8kg、夏用の肌がけ布団で0.2~0.4kg

・羽毛の適正量を決めるのは「ダウンパワー」「キルトのマス目の大きさ」「側生地の重さ」「使う人の体質や住居の機密性」

・羽毛が適正に充填されているかは、布団を手で押して、その戻り具合を見るとよい。じわじわとゆっくり戻ってくる羽毛布団が理想。