ダウンパスってどんな規格?羽毛布団を買う前におさえておきたい基礎知識

2022年3月21日

ダウンパスってどんな規格?

「ダウンパス」という規格をご存知でしょうか。羽毛の品質や欧州の動物保護協定にのっとった羽毛の採取をおこなっていることを保証する規格です。

ダウンパスラベルがあることで羽毛の質の高さだけでなく、動物愛護の観点でも信頼できる羽毛が使われていることが消費者の私たちに分かるのです。今回はダウンパスについて解説しましょう。

ダウンパスとは?

「ダウンパス(DOWNPASS)」は、羽毛の品質や、生きた水鳥から採取されていない羽毛のみを使用した商品であることなどを保証する規格です。

水鳥の飼育や羽毛の品質基準については「農業的動物飼育における動物保護に関する欧州協定(European Convention for the Protection of Animals kept for Farming Purposes)」で定められた基準に従っています。

また、どこでどのように育てられた羽毛なのか、追跡調査ができるシステムをもっています。さらに、製品となって市場に流通した後もモニタリングされて、品質調査がされています。

DOWNPASS「ダウンパス」

ダウンパスはどのような監査をするの?

自社製品に「ダウンパス」ラベルをつけたい企業は監査手続きを受ける必要があり、日本ではQTEC「日本繊維製品品質技術センター」が「ダウンパス」監査機関となっています。

「屠畜記録」や「羽毛加工記録」、「羽毛製品製造記録」などをたどって、現地での監査と品質試験をおこない、製品に使用されている羽毛が動物愛護に基づき倫理的に飼育された水鳥の食肉生産の副産物であること、十分な品質が保証できることを確認します。

この監査に合格した製品のみが「ダウンパス」ラベルをつけることができます。初回の検査に合格した後も2年ごとに立ち入り検査を受けなければなりません。

ダウンパスってどんなラベル?

ダウンパスの認定を受けた製品には、ひとつひとつラベルが取り付けられ、ラベルにはシリアル番号が付与されます。個々の製品はこのシリアル番号で管理されており、どのメーカーのどのような羽毛が使われているかを追跡できるようになっています。

シリアル番号はラベルの上下2ヶ所にプリントされ、上部の番号は製品の中に下部の番号は外側に出るように縫い付けられています。長期間使用して外側のシリアル番号が見えなくなっても、縫い目を解いて中のシリアル番号を確認できるように作られています。

ダウンパスのラベル

出典:https://www.qtec.or.jp/work/certify/feather/downpass

ダウンパス認証を受けている羽毛メーカーを知りたい!

ダウンパスの認証を受けている羽毛メーカーはダウンパスホームページ内「産業における監査を受けたパートナー」で確認できます。

国内で認証を受けている羽毛メーカーは3社確認できました。これらのメーカーのダウンパス認定を受けた羽毛製品なら、トレーサビリティ(追跡可能性)や品質、そして動物愛護の観点からも安心できる製品といえるでしょう。

ダウンパス認定を受けている国内羽毛メーカー

河田フェザー株式会社

1891年創業の羽毛原料メーカー。2014年に「ダウンパス」認証を取得。長年扱いのあった羽毛でもトレーサビリティの確保が出来ないものは扱いを中止するなど徹底した管理をおこなっています。

富士新幸株式会社

羽毛原料の輸入、洗浄、羽毛布団の製造などをおこなう羽毛メーカー。羽毛は社員がヨーロッパ各地の供給先へ出向いて飼育環境や品質を確認したうえで調達。「ダウンパス」の監査も受け、管理を徹底しています。

株式会社丸八真綿

寝具リビング用品の企画、製造、販売・レンタル、クリーニング、リフォーム、配送・倉庫業務、リサイクル業務を行っている寝具メーカーです。

まとめ

ダウンパスについて知っていただけましたでしょうか。品質だけでなく、トレーサビリティや動物愛護の観点からも信頼出来る規格を目安にすると安心して購入できますね。

羽毛寝具の購入の際にはぜひ「ダウンパス」ラベルに注目してみてください。

・ダウンパスは羽毛の品質や、倫理的に飼育された水鳥の羽毛を使用していることを保証する規格

・製品にダウンパスラベルをつけるには監査を受ける必要がある

・ダウンパスラベルにはシリアル番号が付与され羽毛の産地などを追跡できる

・ダウンパス認定を受けている国内メーカーは現在「河田フェザー株式会社」と「富士新幸株式会社」「株式会社丸八真綿」の3社