懐かしく心地よい天然素材の枕、そばがら枕とは

古くから私たちに親しまれているそばがら枕。これでなくては眠れないという根強いファンがいるほど、そばがら枕は現代でも幅広い年代の方から愛されています
今回はそばがら枕の特長と選び方について簡単にまとめました。

そばがら枕とは?

そばがら枕とは、そば殻(そばの実の殻を乾燥させたもの)を中材にした枕のこと。
そば枕などとも呼ばれ、日本古来の枕としてよく知られています。
頭に乗せた感覚がとても涼しく、ムレにくいため夏は特にオススメの枕です。

特長としては

  • 固めなので頭を支えてくれ、寝相が悪くても枕が動きにくい
  • 汗など余分な水分を吸収し、使用していない間に水分を外へ放出してくれる吸湿性・放湿性に優れている
  • 殻の間の空気が断熱材の役目を果たし、通気性もよい
  • 熱がこもりにくく枕に最適
  • 化学物質などではなく天然素材のため安心
  • 他の枕の素材に比べ、比較的リーズナブル
  • 頭と首筋をしっかり支えてくれ、どんな形の頭でもフィットしやすい

などがあります。

どちらかといえば男性や高齢者の方などに愛用者が多いようで、硬めの枕がお好みの方に最適です。
柔らかい枕がお好きな方や、寝返りを打つ時のカサカサという音が気になる方は別の素材を検討された方がよいかもしれません。
またそばアレルギーの人は使えませんので、くれぐれもご注意ください。

そばがら枕の選び方

そばがら枕といっても多くの種類がありますが、初めて使用する際はどのようなものを選べばよいのでしょうか。

中身が調整できるものを

そばがらがぎっしりと詰まった昔ながらのタイプも多くありますが、慣れるまではちょっと寝にくいという方もいらっしゃるかもしれません。初めてそばがら枕を試す方は、頭の形や体型、お好みに合わせて中のそばがらの量を調整できるものがオススメです。

防虫加工されているかどうかをチェック

そばがら枕は天然素材のため、環境や保管方法によってはチャタテムシやコクゾウムシがわくこともあります。
そばがらを高温殺菌・高温洗浄などして、防虫加工が施されているものを選びましょう。

洗えるものがベスト

布団をたたむ

枕は毎日、頭皮に直接触れているので目に見えない汚れが蓄積するもの。
従来、そばがら枕は洗えないものが一般的でしたが、最近では特殊加工により洗濯可能なそばがら枕が多く販売されています。
できれば洗えるそばがら枕を選び、常に清潔に保つことが防虫対策にも衛生的にも大切です。

おすすめのそばがら枕をご紹介!

お布団コンシェルジュがオススメするそばがら枕をご紹介いたします。

眠りの森 たんごや 洗浄熱処理 そばがら枕 35×50cm

ちょっとレトロなデザインがかわいいそばがら枕です。洗浄熱処理済みなので防虫対策も安心ですね。

エムール そばがら枕 低めタイプ

焙煎処理済みのそば入り、低めタイプのそばがら枕です。低めなので女性でも試しやすいかもしれません。生地は綿100%のしっかりした生地を使用しています。

伊藤清商店 洗えるそば枕 43x63cm

シンプルなデザインをお探しならこちらがオススメ。独自の加工で高温殺菌、洗浄、乾燥を繰り返し行っているのでそば粉が完全に除去されており、防虫予防もバッチリ。枕の高さを調節できるのも嬉しいですね。

まとめ

古くから多くの日本人が愛用してきたそばがら枕。
そばがら枕には非常に機能性が高くたくさんのメリットがありますが、故郷を思わせるような懐かしい香りに最も心を惹かれているという方も多いのではないでしょうか。
そばがら枕を選ぶ際は

中身が調整できるもの

防虫加工されているもの

・洗濯が可能なもの

がオススメです。

この機会に一度、そばがら枕を試してみてはいかがでしょうか。

 

ぐっすり快眠は枕次第!有名枕を比較、タイプ別のおすすめ枕をご紹介します。

White pillows on a bed .

枕を新しく買いたい、買い替えたいと思って調べてみると、インターネットや店頭などで多くのおすすめ商品や情報を得ることができます。
それらの情報の中には正確に書かれているものもありますが、ほとんどの場合売り手側の意図や売り文句が優先されたものになっており、この商品にはこのような欠点がある、こういう場合には適さないということが示されていないことが多くあります。そのようなものを参考にして枕を選んでしまうと、快適な眠りを大きく妨げる原因になりかねません。

この記事では数多く販売されている有名な枕を一覧表にまとめて比較してみました。それぞれの利点・欠点を取り上げた上で、お布団コンシェルジュがおすすめする枕をタイプ別にご紹介していきます。


1.有名枕比較一覧表

枕は、「素材」「形」「硬さ」などのバリエーションが多く、製品としても実にたくさんの種類が存在します。

実際に枕を選ぶ際には枕の高さ、枕の素材(硬さ)、枕の大きさが大きなポイントです。

ここでは、有名な枕製品のメリット・デメリットをみてみましょう。

a.テンピュール枕(TEMPUR SEALY Japan7 )

メイン素材:低反発ウレタン

価格:9,000 ~ 21,000円

メリット:

  • ブランド力があり低反発の中でも比較的品質が良い
  • 包み込むように支えてくれる

デメリット:

  • 冬は硬く夏は柔らかくなってしまう
  • 洗えない
  • 寝返りが打ちづらい
  • 高さが調整できない
  • 夏場蒸れやすい

b.ムアツ枕(昭和西川)

メイン素材:ウレタンフォーム

価格:5,400円〜10,800円

メリット:

  • ウレタンだが形状により爽やかに使用できる
  • ムアツ敷布団との相性が良い

デメリット:

  • 洗えない

c.ジムナストプラス(枕のキタムラ)

メイン素材:ビーズ・パイプ

価格:9,504円

メリット:

  • 丸洗い可能
  • 高さが調整できる
  • 横向きにも対応している

デメリット:

  • 高さ調整が若干難しい

d.肩楽寝(東京西川)

メイン素材:パイプ

価格:5,400円

メリット:

  • 高さが調整できる

デメリット:

  • ガサガサうるさい

e.王様の夢枕(枕と眠りのおやすみショップ)

メイン素材:超極小ビーズ

価格:6,480円

メリット:

  • 感触が柔らかく気持ちが良い
  • 水洗い可能(洗濯機不可)
  • 高さが調整できる・高さが高い

デメリット:

  • 耐久性が低い

f.頚椎サポート枕(ふとん工場サカイ)

メイン素材:ポリエステル

価格:2,570円

メリット:

  • 低価格
  • 丸洗い可能

デメリット:

  • 高さが若干高い
  • カバーが無いと滑る
  • 寝返りが打ちづらい
  • 高さが調整できない

g.究極の枕ノームコア(伊藤清商店)

メイン素材:羽毛(デオパワー)・高機能中綿(コンフォレル)

価格:10,800円・15,800円

メリット:

  • デオパワーとコンフォレルの2タイプがあり、高さ3種類・サイズ2種類から選べる
  • デオパワーは消臭効果・抗菌機能あり
  • コンフォレルは洗えるので清潔に保てる

デメリット:

  • ふかふかなので硬い枕が好みの方は向かない

※ 硬さは主に使用されている素材を参照してください。

2.タイプ別おすすめ枕ベスト3

Pretty woman lying in bed at home

上記で有名なまくらを比較してみましたが、実際に重要なのは「自分にとって最もよい枕はどれか」とうことだと思います。インターネットで調べるとおすすめ一覧など多々ありますが、実際に自分にいいのはどれなのかがわかりにくいですよね。

以下ではあくまでお布団コンシェルジュのご提案ですが、睡眠に抱える悩みや皆様個々人のニーズ、タイプ別におすすめしたい枕と、なぜその商品がよいのかを詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。

2-1.肩こりが気になる方におすすめの枕

寝具、特に枕が合わずに方や首にこりを感じられる方は多くいると思います。肩や首がこる最も大きな原因は睡眠時に余計な力が入っていたり、無駄なストレスがかかっているといったことなどが挙げられます。
特に、枕の高さが高すぎたり形状があっておらず、頭部を安定して支えられないためにストレスがかかっていたり、柔らかい枕を使ってしまっていて寝返りを打つ時に無駄に力が必要となっていたりする場合などです。

このような方は、現在使用しているものよりも高さが低く、比較的硬いものを選ぶとよい場合が多いです(但し、好みやどうしても低めが体型に合わない場合もありますのでその点はご注意ください)。

それではおすすめの枕を挙げていきます。

1位 ジムナストプラス

高さが調整でき、肩や首への配慮がなされている比較的硬めの枕です。寝返りも打ちやすいように作られています。

2位 頚椎・首・頭をやさしく支える健康枕

ネーミングどおり、重要な部分の負担を分散し支えてくれる構造です。

3位 ホームナース枕

高さが調整でき、反発力が強く楽に寝返りを打つことができるのが魅力の枕です。

2-2.いびき・無呼吸状態が気になる方におすすめの枕

睡眠時のいびきや無呼吸状態が気になる肩もいらっしゃると思います。いびきはのどや鼻の筋肉が緩み気道が狭くなったり体型などによりもともと気道が狭い場合などに生じ、無呼吸状態はその多くが、仰向けの睡眠中に舌の筋肉が緩み、舌自体の重みで喉の奥に沈む舌根沈下によって気道が狭くなることで引きおこされます。
このような状態を少しでもやわらげるには、もちろん体型の改善などもありますが低めの枕で気道を確保することや、仰向けで寝ることを減らすこともひとつの方法です。そのため、低めの枕・横向きで寝やすいように工夫されている枕を選ぶことをおすすめします。

同1位 肩楽寝

低めの高さに調整が可能であることに加え、中央部分に対して左右部分の高さが高くなっていることで横向きに寝た場合でも快適に眠ることができます。

同1位 ジムナストプラス

ジムナストも肩楽寝同様、高さ調整が可能で、横向き寝にも対応した形状になっています。可能であれば横向きで眠る習慣をつけると良いかもしれません。

3位 抱き枕

こちらは一覧表には掲載していませんが、自然と横向きに寝ることができるという点で優れた効果を発揮してくれます。また、枕を抱くことにより精神的な安心感を得られるという効果もありますので、検討してみるとよいかもしれません。

2-3.清潔感や匂いが気になる方におすすめの枕

家庭で洗浄が可能なものや、消臭効果のある枕などが最適です。丸洗いできることを売り文句としている枕も多々ありますが、綿(わた)素材よりも比較的汚れや匂いのつきづらいビーズやパイプ素材のものがおすすめです。低反発素材など通気性が低く、蒸れやすい素材はおすすめしていません。
また、カバーの上からさらにタオルを敷き毎日タオルを取り替えるといったことも効果的かと思います。

1位 ノームコア コンフォレル

羽毛と同じ感触なのに、羽毛でない枕「コンフォレル(高機能中綿)を採用。羽毛アレルギーや喘息をお持ちの方にも安心してお使いいただけます。

家庭洗浄可能なことに合わせ、羽毛と同じ質感でより手軽に扱えるのが特長でもあり魅力です。

コンフォレル レギュラーサイズはこちら

2位 肩楽寝

キルティング部分もありますが、家庭の洗濯機での丸洗いが可能であることに加え、消臭加工の施されたパイプを使用しています。キルティング部分が汚れや匂いの原因になりやすいのでその点注意が必要です。

3位 ノームコア デオパワー

デオパワーは消臭効果と抗菌機能を持つ羽毛のこと。羽毛の嫌なニオイを防ぎ、汗臭にも効果を発揮します。もちろん羽毛ですので触り心地はふっくらふかふか。まるで空気に包まれるような心地よさを味わえます。

デオパワー レギュラーサイズはこちら

2-4.フィット感を重要視したい方におすすめの枕

寝心地は快適に眠る際の重要なポイントの一つです。寝返りを打ちやすいものや低めの枕になれていくことも重要ですが、精神的に心地よく感じるものを使うことも良い睡眠には欠かせません。そういった方におすすめなフィット感の高い枕を挙げていきます。

1位 テンピュール

フィット感や独特の感触が心地よく感じられる低反発枕です。ただし、気温が高いときは柔らかくなりすぎたり、逆に気温が低いときには硬くなってしまうという難点があることに注意してください。睡眠時の室温を常に快適に保てる方にはおすすめです。

2位 ノームコア デオパワー

枕の程よい反発を考えて「ホワイトダックダウン30%」・「フェザー70%」の比率で開発された枕です。
枕の高さがLow,Middle,Highと3種類あるのでさまざまな体格の方に合わせて自然にフィット。柔らかくてフカフカの羽毛が頭をやさしく包み込みんでくれます。

3位 王様の夢枕

細かいビーズと少量の綿で構成されているためもちもちふわふわな感触です。寝返りは若干打ちづらくなってしまう欠点がありますが、もちもちな感触が好みの方は試してみるのもよいかもしれません。

まとめ

ここまで有名な枕製品とタイプ別のおすすめ枕を紹介してきました。枕は多様な種類の製品があるため、最適なものを見つけることが簡単ではありませんが、ひとつの基準として参考にしていただければ幸いです。

また、ここで取り上げている枕の他にも、価格は上がりますが実計測して個人に合ったものをオリジナルで作ってくれるサービスも多く出てきています。そういったものも比較検討対象として見るのも良いと思います。

枕選びは本当に難しいものです。全員に良いと言い切れる枕は存在しませんが、ぴったりのものに出会えたときには睡眠や生活自体が大きく変わっていくものです。この記事を参考に、ぜひともご自身に最適な枕をみつけてください!

「究極の普通」がもたらす、至上の贅沢ノームコア

 

 

寝具もクールビズ!涼しく眠りながら省エネになる暮らしを

近年環境問題への意識は高まり、特に東日本大震災以降は省エネやクールビズが生活スタイルの基本となりつつありますが、例年の猛暑や熱帯夜ではエアコンに頼らざるをえない日も多いもの。

あまりに節電ばかりを意識しすぎると室内でも熱中症になってしまうこともありますので、夏はエアコンを使わないのではなく、上手に使って無駄を省くことが大事です。

とはいえ、エアコンの長時間の使用はCO2削減 や電気代はもちろん、就寝時は特に身体への影響も気になりますよね。そこでお布団コンシェルジュからは、暑い夏の夜を快適に乗り切るための「寝具のクールビズ」をご提案いたします!

寝具のクールビズが効果的な理由

熱帯夜でなかなか寝付けない、暑くて夜中に何度も目が覚める、など誰しもご経験があるのではないでしょうか。

人間の体は、体温を一定の範囲に保つよう調整するようにできていますが、夏場は室温・湿度が高いために熱が放出されにくく、体の内部体温の放熱が機能しなくなりがちです。

エアコンを使えばすぐに部屋が冷えるので体温が下がりやすくなりますが、眠っている間に必要以上に熱が奪われることで体温調節が狂ったり血流不良になったり…と身体に負担がかかってしまいます。

そこで寝具を夏仕様に変えて(=クールビズ)、体温の放熱を助けてあげることでエアコンの使用を最低限に抑え、涼しく眠りながらも省エネになるような暮らしを実現したいと考えています。

オススメのクールビズ寝具をご紹介!

お布団コンシェルジュがオススメする、暑い夏をより快適に過ごすためのクールビス寝具を3点ご紹介いたします。

1.頭を冷やす「ピローパット」

頭寒足熱という言葉を聞いたことはないでしょうか。

昔から伝えられてきた健康によいとされる言葉で、文字の通り頭を冷たくし足を温めるという意味を持つ四字熟語です。頭は血管が集中しているため、頭を冷やすことで熱を拡散、体の内部体温を静かに下げて全身のクールダウンを促します。

【こんな商品がおすすめ】アイス眠EX ピローパッド 43×63cm 夏用 ひんやり 枕パット 涼感 冷感 枕カバー

東洋紡高分子ポリエチレン「ツヌーガ」採用のひんやり枕パット。愛用の枕に乗せるだけ、家で丸洗いOKなのも嬉しいですね。

2.背中を涼しくしてムレを防ぐ「敷きパッド」

人間は寝ている間に背中の湿度が高くなります。夏は特に汗の量も増えるので、接地面積の一番多い背中に湿気がこもるとムレて眠りづらくなるものです。敷きパッドやシーツを涼しいものにすることでムレを軽減、寝苦しさを減らして快適に眠ることができます。

【こんな商品がおすすめ】接触冷感タッチザクール 敷きパット 涼感メッシュ素材 シングルサイズ

肌に当たるとひんやりしてとても気持ちよく、自然な眠りを促してくれる敷きパッド。吸汗・速乾に優れた特殊な加工綿が使われているので、汗を素早く吸収&発散。暑い夏も朝まで寝心地さわやかです!

【こんな商品がおすすめ】天然素材 竹シーツ 冷感シーツ ひんやり 接触冷感

こちらは竹から生まれた天然の涼感シーツです。竹駒同士の隙間が冷たさとフィット感を調整、ひんやりと心地よく眠れます。

3.真夏もサラサラやわらか「ガーゼケット」

人間は眠っている間に体温が下がりますので、いくら真夏とはいえ何もかけずに眠るのは体が冷えすぎてしまいます。そんな時に重宝するのがガーゼケット。

ガーゼは吸湿性と放湿性に優れており、真夏でもムレにくいのが特長です。そして何といっても肌触りのよさにびっくりするかもしれません。ガーゼは洗うたびにやわらかくなるので、使うごとに心地よさを実感していくことができるでしょう。

【こんな商品がオススメ】日本製 やわらか 6重織りシフォンガーゼケット

体をやさしく、そして気持ちよく包んでくれるシフォンガーゼケット。端まで柔らかいパイピング、190本の打ち込みガーゼなど細かいこだわりを持った伊藤清商店オリジナルの商品です。国内自社工場で縫製職人が丁寧に仕上げています。無添加・無塩素・無漂白で赤ちゃんやお肌が弱い方でも安心です。

まとめ

 

今回は、寝具を夏仕様にすることで省エネしながら快適に眠る寝具クールビズについておはなししました。

エアコンは非常に便利ではありますが、健康のためにも眠るときには特に使い方に注意が必要です。扇風機を併用し、部屋の空気を対流させることでよりエアコンが効果的になるでしょう。

そして寝具の工夫も忘れずに。電気代を多くかけるより、寝具を工夫して省エネ&エコだとみんなが嬉しいものです。

小さな工夫が、私たちの住む地球の明日を変えることになるかもしれません。

今年の夏は寝具にクールビスを取り入れて、暑い夏も朝まで快適に眠りましょう!

枕選びのキーポイント!良質な眠りをもたらす枕の最適な高さとは

pillows

よく「枕が変わると眠れない」という話を耳にします。これは気持ちの問題だけではなく、人体のメカニズムから考えてみても枕と睡眠には深い関わりがあるのです。

私たちが枕を選ぶとき、心地よい眠りのために一番大切なことは何でしょうか。素材や形状など、多種多様な選択肢はありますが、睡眠の質に最も影響を与えるのは「枕の高さ」です。今回は自分にぴったり合う枕の高さの見つけ方についておはなしします。

1.理想的な睡眠姿勢における枕の役割

spine-257870_640

人は夜に睡眠をとることによって、昼間に酷使した神経や身体を休め、体内のメンテナンスをおこないます。熟睡できれば心身ともに回復し、翌日にはまた元気に一日を過ごすことができます。ぐっすりと眠り、すっきりと目覚める…。そんな朝を迎えられたら、睡眠による回復を実感できますよね。そのためには、量ではなく睡眠の質を上げることが大切なのです。まずは、良質な眠りを導く理想的な睡眠姿勢と、それを支える枕の役割から説明しましょう。

1−1立っているときと同じ姿勢をサポートする

発生学的にみると、本来人間の姿勢は首から胸、背中にかけてまっすぐであり、平らな場所で仰向けになった状態が一番自然な状態だといわれています。しかし直立二足歩行へと進化してから、縦方向に重力がかかり、その衝撃をうまく緩和するために背骨は緩やかなS字カーブを描くようになったそうです。

背骨のカーブは、全部で24個の椎骨から成り立っています。上から順に、頭と胴体をつなぐ7個が頸椎(首の骨)、その次の12個が胸椎、さらに5個の腰椎が連なり、それらを全部合わせて「脊椎」と呼んでいます。その並びを前後左右から支えているのは、靭帯と筋肉です。そしてその中心には、脊髄神経という重要な神経の束が通っています。束になっている脊髄神経は枝分かれして頸神経となり、首の骨と骨の隙間から頭や首、肩、腕に伸びています。このため、首は頭と胴体をつなぐ連結部であるだけでなく、全身を司る神経が集中するとても重要なパーツになっています。人は手足の骨を折っても生きていられますが、首の骨を折ると死んでしまいます。それほど首は生命を維持し、健康を保つ重要な部分なのです。

首の骨は背骨に対して前かがみになっています。理想的な睡眠姿勢は、人間が立っているときと同じようにこの姿勢を保てる状態です。この角度が妨げられ不自然な角度になっていると、首周りの筋肉が緊張します。神経に栄養を運ぶ血管がしめつけられ、結果、神経を痛めることになります。枕は、その高さで首から頭部を支え、体を横たえても立っている時同様の自然な形に導き、楽に休める役割を担っているのです。

1−2頭の重みからの開放

また二本足で立って生活している人間の体は、常に首ひとつで頭の重さを支えています。頭を起こしている日中の姿勢は、体重比で10%(=成人で約4~6kg)あるといわれる頭の総重量を、首ひとつで支えている非常に負担の大きい状態。その負担から唯一解放されるのは眠っている間だけですから、夜には体を横たえ、その重みから首を解放してあげなくてはいけません。一日の疲れをしっかりと癒すためには、睡眠時に首に負担をかけてはならないのです。

 枕は、ただ頭を支えるだけでなく、理想的な睡眠姿勢において首という重要なパーツをリラックスさせるために欠かせないアイテムというわけですね。

2.枕の高さが合っていないとき

bed-945881_1280-1

しかし、自分にぴったりと合う枕の高さで理想的な睡眠姿勢を得ている人は意外に少ないのです。

人は立って歩き出したばかりに枕が必要になりました。生まれたての赤ちゃんは枕をしませんし、また必要もありません。人間が仰向けで寝た時に本来の姿勢を保とうとすると、背骨がS字カーブを描いているため、敷布団と頭や首の間に隙間ができます。枕はその隙間を高さで補うものですが、枕がわずかでも高すぎたり、低すぎたりすると、首は自然な角度を失い、不良な角度に折れ曲がって頸神経の出口を圧迫します。自分に合った高さでなければ、骨や筋肉が無理に伸びたり縮んだりした状態で体に負担をかけてしまうのです。

寝ているときや、起床時に、次のような事柄で思い当たることはありませんか?

・枕の高いところ(または低いところ)を求める

・枕の下に手を入れている

・頭の下に枕がない、または枕がずれている

・枕を肩下に引き込む

・枕の中央が深くへこんでいる

・体のどこかに痛みやしびれがある

心当たりのある方は、枕の高さが合っていない可能性が高いです。高すぎる、または低すぎる枕を使っていると体にどのような影響や症状があらわれるのでしょうか。

2−1高すぎる枕

高すぎる枕をすると、首の下に隙間ができています。顎が引けた状態になるので、肩や首の筋肉に負担がかかります。また気道が圧迫されて狭くなるため、いびきがでやすくなります。頭痛、肩こりなどの原因にもなります。首のしわも増えます。

2−2低すぎる枕

頸椎を支えられないため、自然なカーブや傾きに負担がかかります。顎が上がり、頭部が沈んで血液が頭部に下がるため、脳への刺激が増え、眠りも浅くなります。舌が気道に落ちるため、いびきの原因になることもあります。顔のむくみ、寝違えや肩こりなども誘発する原因になります。

2−3合わない枕による様々な症状

この他、近因、遠因を含めると体に合わない枕による首を含めた背骨全体への影響がもたらす症状として、手足のしびれや痛み、首の痛み、耳の痛み、頭痛、めまい、睡眠時無呼吸症候群、不眠などがあげられます。

もちろん枕だけではなく、敷布団との兼ね合いや他の様々な要因も考えられますが、まずは睡眠姿勢に一番影響する枕の高さを見直すことをおすすめします。

自分に合う枕の高さに調節することで、ただ眠っているだけの睡眠時間が、体の不調を改善する時間になるのです。人は人生の約3分の1を眠って過ごします。積み重ねることで、実際に思ってもみなかった慢性的な症状が緩和されることも多いのです。

3.リラックスできる枕の高さを決める3つのポイント

これまでの流れをふまえ、枕の高さを決めるポイントをまとめてみましょう。

 3−1自然な姿勢を導く高さ

緩やかなS字カーブを描く背骨は、前かがみになった首の骨=頸椎につながっています。さらに頸椎は、側面から見るとC字状にカーブしています。重い頭を支えて、バランスよく動くために、とても効率的な姿勢になっています。仰向けになった状態でも、横向きになった時でも、この自然なカーブと角度を保つ高さが必要です。

3−2頭の血を下げる高さ

安静な状態で頭を休めて眠るときに、頭に血がのぼっていては休まりません。枕には頭の血を下げる役割もあります。また、心臓より低い位置に頭があると、顔や頭にのぼった血液の循環が滞り、朝起きた時に顔がむくんだりもしますから、頭が心臓より少し高くなる高さが必要です。

3−3スムーズに寝返りできる高さ

人間の体には、血液、リンパ液、関節液など、様々な体液が流れています。ずっと同じ姿勢のままで眠ると、同じ場所が圧迫されて体液の循環が滞ります。体液の滞りは、体内の諸機能の滞りになります。これを防ぐために寝返りが必要なのです。寝返りは無意識の行動ですが、その必要性から、妨げられてはいけません。個人差はありますが、人は一晩に約30回の寝返りを打っています。スムーズに寝返りが打てる高さであることも重要な要素です。

4.最適な枕の高さの探し方

3つのポイントをふまえ、実際に自分に合う枕の高さを見つける方法についておはなしします。鏡で自分の寝姿をみながらおこないますが、側面からのチェックや計測は第三者に協力してもらいましょう。ただしこれはあくまで一般的なもので、同じ計測値でも心地よいと感じるポイントは人によって異なります。是非とも参考程度にご覧ください。

高さの調節ができる枕であれば、少しずつプラス、マイナスしながら楽で心地よいと感じる高さを探ってみてください。調節ができないものであれば、折りたたんだタオルケットや座布団などをベースに、その上に何枚かのタオルを重ねた簡易枕を作ってみましょう。重ねたタオルを足したり引いたりしながら、最適な高さになるまで試してみましょう。

4−1首のくぼみの深さを目安に仰角5度になる高さ

1

リラックスして立った状態で、第七頸椎(頭を下げた時に首の付け根部分にポコッと出る骨)に定規をあて、側面から見て背中のラインの延長までのくぼみの深さを計測します。このくぼみの深さが枕の高さになります。定規を指にはさんで第七頸椎にあて、手を軽く背中に添えるようにして計測できます。計測したら、実際にその高さを側面からチェックしてみましょう。

2

自然な首の傾斜は、仰向けに横たわったときの顔面の仰角(額と鼻の先端を結んだ線がつくる角度)が5度になります。その時、頭は心臓より少し高い位置にあります。側面からみて仰角が5度になり、体がリラックスした状態を感じていれば、それが仰向けでの理想的な高さになります。自分にぴったりの高さに出会うと、寝た瞬間に全身の力が抜けて心地よさを感じるでしょう。

 

4−2横向きで頭から胸のラインがまっすぐになる高さ

3

仰向けでちょうどよい高さを、今度は横向きでチェックします。横向きになると、肩幅分だけ高くなるのでは…と考える人もいるかもしれません。しかし人間の体は横になると肩は柔軟に前に出て、肩幅を小さくするようにできています。ですから、必ずどちらの姿勢をとってもしっくりくる高さが見つかります。

横向きに寝た時に、頭、顎、胸のラインをみます。両手は胸のあたりでクロスしておきます。体の中央を通るこのラインがまっすぐであれば、横向きでもちょうどよい高さです。首が上がっていれば枕が高いということになりますし、下がっていれば低いということになります。

4−3寝返りが打ちやすい高さ

横向きでまっすぐなラインがチェックできたら、今度はその高さでスムーズに寝返りが打てるかをチェックします。左右に転がり、体をひねらずにスムーズに転がれるか確認します。

スムーズな寝返りを打つために、頭が沈み込まない硬さも枕には必要です。中央がくぼんでいない、シンプルでフラットな枕をお薦めします。

首を理想の角度に安定させたまま、左右に寝返りが打てるかどうかはわずか5ミリ単位でも違ってきます。調節を繰り返しながら、最適な高さを探しましょう。

 

5.最適な枕の高さを見つける重要ポイントまとめ

これまでの説明をまとめると、枕は、眠りの質を左右する睡眠姿勢において神経が集中している首をサポートするという大切な役割を担う重要なアイテムです。そのキーポイントは高さにありました。

人は何もない場所でも、体を横たえるとつい腕を頭の下に入れたくなります。これは無意識の行動ですが、そうすると、体が楽だと感じるからです。こうした体の感覚は、これまでに説明してきた人体のメカニズムと深く結びついています。

高さを考える際は、前述「最適な枕の高さの探し方」を参考にしてみてください。ただし、習慣や環境などの影響も含めて形成される人間の体格や骨格は実に千差万別。ちょうどよい高さというのは一概には決められず、好みも大きく左右します。一番大切なのは、使うご自身が快適と感じるかどうかです。

どんな枕を購入していいか悩んだ時はできるだけシンプルなもの、そして高さが好みや自身の体格に合わせて選べるように、サイズがいくつかの中から選択できるものがよいでしょう。

是非とも本記事を参考に、枕の高さ選びをしてみてはいかがでしょうか。必ず、深い眠りにたどり着ける、あなたにピッタリの枕の高さに出会えるはずです。