ポケットコイルマットレスは何が良い?ボンネルコイルマットレスとの違いを徹底解剖!
体圧分散性にすぐれていて、寝心地のよさが人気のポケットコイルマットレス。購入を検討されている方も多いかと思いますが、具体的にはなにがどういいのか、みなさんご存知でしょうか?
調べてみると、ポケットコイルマットレスはなかなか奥が深いことが分かりました。しっかり知識を身につけて自分に一番合ったポケットコイルマットレスを見つけましょう。
ポケットコイルマットレスとは?
ポケットコイルマットレスとは、らせん状に巻いたコイルスプリングが一つずつ小さな袋(ポケット)に入れられてマットレスに敷き詰められているもののことを言います。
ひとつひとつのコイルが独立しているので、圧がかかった部分だけが沈み、体を「点」で支えて体によくフィットします。バランスよく体圧を分散することができるので、体への負担が少なく、無駄な寝返りが減り、熟睡感が得られることも人気の秘密です。
【ポケットコイルマットレスを使うメリット】
①良い寝姿勢を保てる
②バランスよく体圧を分散できる
③横揺れやきしみ音が少ない
ボンネルコイルとポケットコイルってどう違うの?
ボンネルコイルマットレスとの違いも気になるところです。ボンネルコイルとポケットコイル、それぞれ特徴がありますので違いを4つのポイントで比べてみました。
①構造
【ボンネルコイルはコイルが連結】
ボンネルコイルはらせん状に巻いたコイルを全体に配置し、それを連結させたマットレスです。
【ポケットコイルはコイルが独立】
ポケットコイルは前述したとおり、らせん状のコイルをひとつひとつ袋に入れてマットレスに敷き詰めたもの。ひとつひとつのコイルが独立しています。
②寝心地
【ボンネルコイルは「面」で体を支える】
ボンネルコイルはコイルとコイルがつながっているので、マットレスに圧を加えたときに押した場所だけでなくその周囲も沈みます。これが「面」で支えるということです。
仰向けで寝たときに、腰やお尻が落ち込む感覚があまりありませんが、その分腰が浮いて負担がかかることがあります。床や畳に布団を敷いて寝るのと似た寝心地になります。
コイルの数や強度にもよりますが、ポケットコイルマットレスよりも硬いと感じる場合が多いようです。コイルが連結されているため横揺れを感じます。
【ポケットコイルは「点」で体を支える】
ポケットコイルは中のコイルのひとつひとつが独立しているので、体を「点」で支えます。
体の圧が強くかかる肩や腰、お尻の部分はかかった圧の分だけ沈み、ボンネルコイルよりも、より体にフィットします。それにより立っているときと同じ自然な背骨の状態をキープでき、体への負担が少なくなります。
コイルが独立しているため、横揺れがしにくく、きしみ音も気になりません。
③通気性
【ボンネルコイルは通気性抜群】
コイルの中が空洞になっているので、通気性にすぐれています。
【ポケットコイルはやや通気性が劣る】
コイルを一つずつ袋に入れるため、ボンネルコイルほどの通気性はありませんが、通気性を損なわないよう、コイルを入れる袋に不織布などの通気性のよい素材を使用していることが多いので、特別心配する必要はありません。通気性が悪いというわけではありません。
④価格
【ボンネルコイルは比較的安価で手に入る】
ボンネルコイルは比較的安価で購入することができます。ただし平均よりも大幅に安価なものの中には耐久性が悪く、すぐにへたってしまうものもあるので注意が必要です。
【ポケットコイルはやや高め】
ポケットコイルは、使われているコイルの数がボンネルコイルよりも多くなります。ボンネルコイルはシングルサイズで約200本程度ですが、ポケットコイルの場合は、約500本程度と倍以上。
そのうえ、それらのコイルをひとつひとつ袋に入れるという生産の手間もかかるという理由から、ボンネルコイルよりも価格は高めになっています。
ポケットコイルマットレスの寝心地を決めるもの
一般的にポケットコイルマットレスはボンネルコイルマットレスよりもやわらかいと言われていますが、実際はポケットコイルの素材や強度、コイルの数などにより硬さや寝心地が変わるので一概にすべてがやわらかな寝心地とは言えません。ポケットコイルマットレスの寝心地を決めるものをいくつかご紹介します。
①コイルの質・線径
一般的にコイルに使用される素材は、硬鋼線やピアノ線などの鋼線です。
硬鋼線とピアノ線は化学成分としてはよく似ているのですが、ピアノ線の方がより厳しい規格で製造されているため、強度の必要な部品のバネに使用されることが多いそうです。つまり、硬鋼線よりもピアノ線を使用しているコイルの方がより耐久性が高く高級なマットレスとなります。
鋼線に熱処理をおこなっている場合はより強度、耐久性にすぐれたコイルとなります。マットレスの硬さは、このコイルの線径(コイルの太さ)が影響しています。線径が太いコイルを使用したマットレスほどより強度の高い硬めの寝心地となり、細いコイルを使用したマットレスほどソフトな寝心地となります。
②コイルの巻き方・巻数
コイルの巻きが大きければよりソフトな寝心地になり、小さければしっかりとした硬めの寝心地になります。
巻数は、多くなるとより強度が高くなり硬めの寝心地となり、少ないとソフトな寝心地となります。
③コイルの数
コイルの数は増えるほどより弾力のある硬めの寝心地となり、少ないほどソフトな寝心地となります。
④コイルの詰め方
コイルを袋に詰めるときの方法として、へたりを防ぐため、コイルをあらかじめ圧縮して袋に詰めるという方法が一般的のようです。
この圧縮の度合いが大きいほど弾力のある硬めの寝心地となり、圧縮が少ないほどやわらかめの寝心地となります。
⑤コイルの形状
コイルの形状も寝心地に影響があります。形状の種類をいくつかご紹介します。
【樽型】
「樽型」は一般的な形状で、コイル中央部が膨らみ上下がすぼまった樽の形をしています。並べると隣接するコイルと点で接触するため、硬すぎずほどよい硬さのマットレスとなります。
【円錐型】
コイルを円錐状に巻いた形状のコイルで、交互に上下を逆に配列して使用します。隣接するコイルと線で接触するため、よりしっかりとした硬さの寝心地となります。このコイルを配列したマットレスは「ウルトラ集積マットレス」と呼ばれています。
【アワーグラス(砂時計)型】
その名のとおり砂時計の形をしたコイルで、コイル中央の巻きが小さく引き締まった形をしており、上下が大きくゆるく巻かれたコイルです。大きく巻かれた上下の部分はソフトに体にフィットし、中央の巻きの小さい部分で体をしっかり支えます。
⑥コイルの配列
コイルの並べ方(配列)も寝心地に影響します。代表的な配列をご紹介します。
【平行配列】
「平行配列」はコイルが一列一列平行に並べられています。コイルの数が少なくなることと、コイル同士の隙間がやや開くため、よりソフトでやわらかな寝心地となります。
【交互配列】
「交互配列」は隙間を埋めるようにコイルを一列ごとにずらして互い違いに並べる配列です。コイルの数が増えるため、より体にフィットしますが、コイルとコイルの隙間が小さくなるので平行配列よりやや硬めの寝心地になります。
【ウルトラ集積配列】
「ウルトラ集積配列」は円錐状のコイルを上下逆にしながら並べる配列です。交互配列よりもより隙間が少なくなり、コイル同士が線で接触するためしっかりと体を支える硬めの寝心地になります。畳に布団を敷くのと似た寝心地になります。
配列について、どれが最もすぐれた配列ということはありません。あくまで使用される方の好みによります。
フィット性が高く人気のある交互配列をあえて採用せず、コイル同士の摩擦が少なく、マットレスの両端や上下に欠落部分が出ない平行配列を採用しているメーカーもあります。
⑦詰め物
コイルを敷き詰めたスプリングの上下にはウレタンなどの詰め物がされ、体をやわらかく包み込むような感触をもたらす工夫がされています。詰め物が多いほどやわらかく包まれ、快適さを感じる寝心地になりますが、多すぎるとスプリングの効果に影響が出てしまいます。適度な分量の詰め物であることがベストです。
ポケットコイルマットレスが合う人、合わない人
体にフィットして寝心地がよく人気のポケットコイルマットレスですが、やはり個人差があり合わないという方もいるようです。いくつか購入する前にチェックできるポイントをご紹介します。
ポケットコイルマットレスが合う人
・やわらかめの寝心地が好き(硬いマットレスが苦手)
硬いマットレスが苦手な方、腰の浮きが気になるかたはより体にフィットするポケットコイルマットレスが快適です。
・2人でひとつのベッドを使う
ボンネルコイルマットレスを使用していて横揺れが気になっていた方は、横揺れの少ないポケットコイルマットレスの方がより快適に眠れます。
・体重が軽い
体重が軽い方は、やわらかめといわれるポケットコイルマットレスでも体が沈みすぎることがありませんので快適に使用できます。
ポケットコイルマットレスが合わない人
・硬めの寝心地が好き(やわらかめのマットレスが苦手)
やわらかいマットレスが苦手という方は、体が沈みやすいポケットコイルマットレスが寝にくく感じるかもしれません。
・今まで畳に布団を敷いて寝いていた
畳に布団を敷いて寝ていた方は、体にフィットするポケットコイルマットレスはやわらかすぎると感じる場合があるかもしれません。ボンネルコイルマットレスや硬めのポケットコイルマットレスを選ぶことをおすすめします。
・体重が重い
体重が重い方は、ポケットコイルマットレスは体が沈みすぎて寝姿勢が不自然になってしまい、体に負担がかかってしまいます。
マットレスを長持ちさせるには?
ポケットコイルマットレスは、ひとつひとつ独立したコイルが体を支えるので圧が大きくかかる部分の負担が大きく、へたりやすくなってしまいます。マットレスを長持ちさせる方法は他のマットレスと変わりありませんが、通常のマットレスよりもより気をつけて頻繁に手入れをすることがポイントです。
①ベッドパッドを使う
必ずベッドパッドを使用しましょう。マットレスの汚れを防ぐだけでなく、就寝中の汗を吸収するので、マットレスに湿気がこもりにくくなります。
②前後の向きを変える
圧が多くかかる腰やお尻の部分ばかりがへたらないように、時々マットレスの前後(頭と足)の向きを変えましょう。
③時々裏返して使う
上記と同じ理由で、時々裏返して使うことも有効です。
④風を通す
時々マットレスを風通しのよい場所に立てかけるなど工夫をして、湿気を飛ばしましょう。
まとめ
ポケットコイルマットレスの特徴をお分かりいただけたでしょうか。寝心地のよさを感じるかどうかは残念ながら人それぞれですが、気になる方はぜひ店頭で試してみてください。
ではポケットコイルマットレスについてまとめておきましょう。
・ポケットコイルマットレスは「点」で支える
・ボンネルコイルはコイルが連結、ポケットコイルはコイルが独立
・コイルの強度や巻き方、配列方法などがポケットコイルマットレスの寝心地に影響する
ポケットコイルマットレスの購入を検討されている方は参考にしてみてください。