どれを買う? 6種類のマットレスと選び方のポイント

2022年3月21日

マットレスの選び方

マットレスを買い替えたいけど、いろいろあってどれを買ったらいいのか分からない! なんてことはありませんか?

安い買い物ではないし、場所をとる大きな物だし、失敗したときのダメージ(金銭的にも精神的にも…そして健康にも)を考えると、つい買い替えより現状維持を選んでしまいがちに。

今回はマットレスの種類と選び方について解説します。あなたにぴったりのマットレスを見つけてください!

マットレスの役割とは?

私たちが立っている状態では重力は足一箇所にしかかかりませんが、睡眠時のあお向けの姿勢では頭、背中、腰、足の4箇所が主に重力を受けることになります。

そのうち最も重力がかかるのが腰で、全体重の約44%もの力がかかるそうです。この状態だと腰にかなりの負荷がかかり、腰痛などの原因になってしまいます。

マットレスの役割は体圧を分散させて身体への負担を軽くすること。つまり、身体の圧をできるだけ均等に分散できるマットレスを選ぶことが重要なのです。

 

(画像引用元:https://www.goodsleepfactory.com/knowledge/gs_kouza/bed/mattress.html

合わないマットレスで寝ると…?

ちゃんと寝たはずなのにスッキリしない、起床時に身体が痛い…。それはもしかしたらマットレスが合っていないのかもしれません。

合わないマットレスで寝ていると腰痛や不眠の原因になることもあり、健康への影響が心配です。自分に合わないマットレスで寝ているとどんなことになるのでしょうか。いくつかご紹介します。

やわらかすぎるマットレスで寝ると…

・寝返りが打ちにくい

やわらかいマットレスは体が安定せず、寝返りが打ちにくくなってしまいます。寝返りをするたびに筋力が必要になり、疲労感を感じることも。

・寝苦しい

やわらかいマットレスは体が包み込まれるようなやさしい寝心地が魅力ですが、沈み込みすぎると、寝苦しさを感じることがあります。夏には暑苦しくて熟睡できなくなってしまいます。

・背骨や腰に負担

体がマットレスに沈むことで背骨が曲がり不自然な寝姿勢になってしまいます。そのような寝姿勢では背骨や腰に負担がかかってしまいます。

・疲れる

やわらかいマットレスは体が安定せず、無意識で筋肉が動きやすくなります。そのせいで疲れを感じることがあります。

硬すぎるマットレスで寝ると…

・血行が悪くなる

硬すぎるマットレスは体の接触箇所が圧迫されて血行が悪くなってしまいます。ひどいと痛みやしびれが出ることも。血行を促進するために寝返りが多くなり、疲労感を感じてしまいます。

・背骨や腰に負担

マットレスが硬すぎると、あお向けの寝姿勢で体がまっすぐになり、腰が浮いた状態になってしまいます。背骨や腰に負担がかかり、腰痛の原因になることも。

理想の寝姿勢は、「背骨が、立っているときの曲がり方よりも、やや緩やかなカーブをキープできる寝姿勢」と言われています。やわらかすぎず、硬すぎず、自分の体に合ったマットレスを見つけることが大切です。

ただ「寝心地がよい」=「体に合っていて健康的」というわけではないので、その点がマットレス選びの難しいところです。

あなたに合うのはどんなマットレス?

まずはマットレスの種類とその特徴をおさえましょう。

比較しやすいよう一覧表にしましたので、あなたに合いそうなマットレスを見つけてください。

※一覧表は横スクロールでご覧いただけます)

ボンネルコイルマットレスポケットコイルマットレス高密度連続スプリングマットレス低反発マットレス高反発マットレス(ウレタン)高反発マットレス(樹脂)
硬さかためふつうかためやわらかめ適度な硬さかため
通気性良いやや悪い良い悪い悪い良い
メリット価格が手頃。安定感がある。横揺れが少ない。耐久性が良い。包まれる感じが心地よい。体圧を分散して自然な寝姿勢が保てる。通気性が良い。洗える
デメリット揺れが気になる。やや硬い。体重が重い人は、体が沈みすぎる。かなり硬め。夏は寝苦しい。洗えない。腰に負担がかかることも。価格が高い。夏は寝苦しい。価格が高い。耐久性があまりよくない。
価格の目安シングルで1〜2万円程度。シングルサイズで2万円〜5万円程度。シングルサイズで2〜5万円程度。安価なものは1〜2万円から。有名ブランドのものは10万〜30万円程度。手頃なもので3万円程度から。有名ブランドの商品で5万円程度〜数十万円まで。比較的手頃なもので3万円程度から。有名ブランドの商品は10万〜数十万円程度まで。
こんな人におすすめ・手頃な価格のマットレスを購入したい
・やわらかい寝心地が苦手
・初めてベッドを購入する
・肩や腰などへの負担が気になる
・硬いマットレスが苦手
・ひとつのベッドを2人で使用したい
・硬い寝心地が好き
・体重が重めの方
・ベッドの揺れが気になる
・やわらかい寝心地が好き
・長時間寝ていることが多い
・体重が軽い方
・硬めのマットレスが好き
・腰痛がある
・寝起きがスッキリしない
・体重が重めの方
・腰痛がある
・洗えるマットレスが欲しい
・寝起きがスッキリしない
・体重が軽めの方
マットレス種類の比較

それぞれのマットレスの詳しい特徴を解説します。

スプリングタイプのマットレス

1. ボンネルコイルマットレス

ボンネルコイルマットレス

ボンネルコイルマットレスは、らせん状に巻いたコイルスプリングを連結させたマットレスです。適度に硬めで、強い弾力があります。

寝たときに体を面でしっかり支えるので、やわらかすぎるマットレスが苦手な方におすすめです。

コイルの中が空いているので通気性がとてもよく、湿気がこもりにくいマットレスです。ただし、コイルとコイルが連結しているため、動くと揺れが気になる場合があります。

2. ポケットコイルマットレス

ポケットコイルマットレス

ポケットコイルマットレスは、コイルスプリングを一つずつ小さな袋(ポケット)に入れてマットレスに敷き詰めたものです。

体を点で支えることができるので、体にかかる圧を効率良く分散することができます。

体にフィットしている感覚があり、寝心地の良さも魅力です。寝返りのときの横揺れが少ないというメリットも。

生産に手間がかかるため、価格はやや割高。通気性はポケットに入れている分、ボンネルコイルより多少悪くなります。体重が重い方は、ボンネルコイルマットレスよりも体が沈みやすくなりますので注意が必要です。

3. 高密度連続スプリングマットレス

高密度スプリングはコイルを高密度に配置したマットレスで、横揺れが少なく、耐久性に優れているのが特徴です。丈夫なため、ホテルなどで採用されています。

かなり硬めの寝心地になりますので、やわらかいマットレスが苦手な方や、体重によって体が沈み込むのが気になる方におすすめです。

ウレタン・樹脂素材のマットレス

4. 低反発マットレス

低反発マットレス

低反発マットレスは、もともとはNASAで考案された衝撃吸収素材です。

重みや温度に反応してゆっくりと体が沈み、包み込まれるような寝心地が魅力です。体を圧迫しないので寝返りの回数が減り、睡眠の質が安定します。

気温によって硬さが変わるので夏場はやわらかくなりすぎることがあります。長時間ベッドに寝ている方の床ずれ防止になるので、医療現場でも使われています。ウレタン素材なので通気性はよくありません。夏は暑いのが難点です。

5. 高反発マットレス(ウレタン)

高反発マットレス(ウレタン)

ウレタンの高反発マットレスは、適度な硬さで理想的な寝姿勢を実現でき、寝返りを補助する効果があります。

耐久性にすぐれているのも特徴です。ただウレタンなので通気性はよくありません。

またウレタンは、寒いと硬くなり、暖かいとやわらかくなる性質があるので、暖かい季節には高反発の機能が落ちることがあります。

6. 高反発マットレス(樹脂)

高反発マットレス(樹脂)

網目繊維構造の高反発マットレスは、有名アスリートのCMが話題となり近年人気が高まっています。

樹脂を水の中に流し込んで網目状に編んだ素材で、体圧を分散し理想的な寝姿勢が保てるうえ、適度な硬さが寝返りを補助してくれます。通気性が良いので夏は涼しく、冬は空気の層によってあたたかいのも魅力。

洗うことができて清潔に保てるので、高温多湿の日本の気候に合っています。マットレスや布団の上に敷くタイプのものが多いです。

マットレスを選ぶときに役立つチェックポイント

マットレスを選ぶときのポイントは、とにかく試してみることです。

ネットでの評判や人気も参考にはなりますが、それに惑わされずにできる限り店頭に足を運んで、触って弾力を確かめたり、実際に寝て寝心地を確かめたりすることが大切です。

確認するポイントは5つ。

  1. 寝姿勢が心地よいか?
  2. 寝返りがしやすいか?
  3. 不快な揺れがないか?
  4. きしみ音はしないか?
  5. 通気性が良いか?

それぞれ見ていきましょう。

①寝姿勢が心地よいか?

まずは睡眠中の寝姿勢で最も多い、あお向けで寝たときの姿勢をチェックします。あお向けの寝姿勢が心地よいと感じるものを選びましょう。

あお向けで寝た状態で腰とマットとの間にできる空間が2〜3cm程度となるS字が理想で、これは立っているときよりも体が少し伸びたような姿勢になります。

背中や腰が沈み込みすぎないかどうか、マットレスが体に密着しすぎないか、体に余計な力が入っていないか、などをチェックしましょう。横向けでの寝心地を確認することもお忘れなく。

②寝返りがしやすいか?

寝姿勢を確かめたら、次は実際に寝返りを打ってみます。

睡眠中にスムーズに寝返りができないと、血流が悪くなったり、体温調節がうまくできなくなってしまったりするので、寝返りのしやすいマットレスを選ぶことはとても重要です。寝返りをするときに余計な筋力を使わずにスムーズにできるかどうかを確認しておきます。

③不快な揺れがないか?

次に、不快な揺れがないかどうかチェックしましょう。あまり横揺れがひどいと睡眠が妨げられてしまうことがあります。

特に2人で同じベッドで休むという方は、相手が寝返りを打つたびに揺れが起きるので、余計に気になることがあります。揺れがあまりひどい場合は購入を避けたほうが無難です。

④きしみ音はしないか?

睡眠は毎日のことですので、あまりにきしみ音が気になるようだとストレスになってしまいます。何度か寝返りを打ってみて、きしみ音も確認しておきましょう。

⑤通気性が良いか?

高温多湿の日本の気候に合った通気性のよいマットレスを選ぶことが大切です。通気性のよくない素材は湿気がこもり、カビが発生することもあります。

カビはアレルギーの原因になりますので、アレルギー体質の方は特に注意が必要です。

どんなお店で買えばいい?

店頭で念入りにチェックをしても、実際に家で使用してみなければ自分に合っているかどうかが分からないのがマットレス選びの難しいところです。

マットレスが合うかどうか心配というときには、お試し期間を設けているお店か、返品や返金保障サービスをおこなっているお店で購入するといいでしょう。

マットレスが合わないときの対処法

店頭で念入りに確かめて、お試し期間も問題なかったけど、やっぱり合わないみたい…。そんなときは、しばらく応急処置でしのぎましょう。

マットが硬すぎるとき

マットが硬すぎるときは、腰が浮いてしまうので、マットと腰の隙間を埋めるようにバスタオルなどを敷いて調節してみましょう。また、マットレスに敷くタイプのマットレスや布団を重ねるのもいいでしょう。

テンピュール マットレスパッド「Topper(トッパー)」

マットがやわらかすぎるとき

マットがやわらかすぎるときは、沈み込んでしまっているお尻の下にバスタオルなどを敷いて調節してみましょう。畳マットをマットレスの上に敷くのもひとつの方法です。

エムール ひんやり い草マットレス シングル 折りたたみ 日本製

まとめ

気になるマットレスはありましたか? 種類が豊富なマットレス。どれが自分に合っているのか見極めるのは大変です。

場所をとる物ですから、合わなかったからといって使わないで置いておくこともできませんよね。失敗しないよう事前にリサーチすることと、店頭でしっかり確認することが大切です。

マットレスの選び方についておさらいしておきましょう。

  • 合わないマットレスは睡眠を妨げ、健康にも影響が出てしまう
  • マットレスは構造や素材によって硬さや機能が異なる
  • 機能や人気に惑わされずに実際に試して購入したほうがいい
  • 購入するときは、「お試し期間」「返金返品保障」があるかもチェック

マットレスの買い替えを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。