痛みや不眠を改善したい!機能性を考えたマットレスの選び方

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機能性を考えたマットレスの選び方

様々な分野において健康志向が高まっている現代では、眠りも科学され、睡眠がもたらす心と体への影響が重視されるようになってきました。寝具は寝心地という感覚的な選択から、体に与える効果で選ぶ時代へと変化しつつあります。

なかでも、トップアスリートがこだわっていることなどをきっかけとして注目されるようになったのが、機能性マットレスです。深い眠りをもたらす機能に重点をおいたマットレスを使い、睡眠の質を向上させることを体調管理のひとつとして取り入れるという志向は、アスリートを起用したCMを通して、一般にも広く浸透してきました。

特に、睡眠時に体の痛みや不眠などの症状を感じている方のなかには、気になっているという人も多いのではないでしょうか。実際にマットレスを替えたことで、そういった悩みが解消したという声も多く、その効果についての関心は高まっています。最近、人気が上昇している機能性マットレスとはどんなものなのか、そしてその選び方について、詳しく解説します。

1.痛みや不眠の原因はマットレスにあった!?

不眠

朝起きた時に、

・腰が痛い

・疲れが取れない

・眠りが浅い

・体にコリや痺れを感じる

といった不快症状を感じている方は年々増加傾向にあり、何かしらの不眠症状を感じている人は日本人の約4割にものぼるという調査結果があります。睡眠時の痛みや不眠は、私たちにとって特別なことではなく、とても身近な問題といえるようです。こうした睡眠時や起床時に感じる腰痛などの体の痛みや、たくさん寝ているのに疲れが取れないといった不快症状はどうして起きるのでしょうか。

原因は様々に考えられますが、ひとつの可能性として、マットレスに起因する不適切な寝姿勢や寝返り不足、体重による局所的な圧迫があげられます。

1−1局所的な圧迫

局所的な圧迫

硬めの布団で寝ると、体から飛び出ている骨盤や肩甲骨などの部分に、大きな圧力がかかります。その負担は、仰向けの場合は、肩・背中部位に体重の33%、臀部に体重の44%もの重さになります。マットレスには、この圧力を吸収する役割がありますが、それがうまくできていないと、体の一部に負担がかかり、朝起きた時、それが局所的な痛みやむくみとなってあらわれます。これが、起床時の腰痛や背中の痛み、肩こり、むくみの原因になります。

1−2不適切な寝姿勢

不適切な寝姿勢

理想的な寝姿勢は、立っている時と同じように、背骨のS字ラインが保たれている状態です。柔らかすぎるマットレスの場合、胸部から腰部が深く沈み込んでしまい、そこに負荷が集中します。また付随する筋肉が緊張状態にさらされるため、様々な痛みの原因になります。また、緊張状態を解消しようと寝返りの回数が増え、多すぎる寝返りが体を疲れさせてしまいます。

1−3適切な寝返りができない

適切な寝返りができない

寝返りは、睡眠時の血液や体液の循環を良くしたり、体のゆがみをリセットするなど、疲労回復に欠かせないものです。しかし、多すぎても少なすぎても快眠から遠ざかってしまいます。柔らかいマットレスによって体が必要以上に沈み込んでいる場合は、体を動かすのに力が必要となるため、寝返り不足になります。逆に、反発力が高すぎるマットレスの場合は、体が落ち着かず、寝返りしすぎて疲れる原因になります。

1−4現代人の寝返り不足

日本人は本来、畳に敷き布団を敷いて寝る習慣のため、睡眠中に適切な寝返りを打つことで、血液や体液の停滞と局所的な負荷を解消することが自然に行われていました。しかし、生活スタイルの洋式化、運動不足、睡眠時間の減少などの変化とともに、昔に比べて寝返り不足が生じやすくなってきていると言われています。このような現状をふまえて、マットレスには自然な寝返りを促すという役割が新たに求められています。

2.機能性マットレスの役割

機能性マットレス

睡眠中、立っている時と同じように背骨のS字カーブが保たれ、無理のない寝返りが自然に行われていれば、体はリラックスし、脳も深い休息が得られます。しかし、それが妨げられていると、眠っている間も筋肉が常に緊張した状態であったり、寝返り回数が少ないことによる血流障害によって筋肉の疲労が増すといった体に負担のかかる状態に陥ります。

これらが原因で起こる痛みや不眠を解消するために、

・適切な寝姿勢へ導く

・体圧を分散し体の負荷を軽減する

・スムーズな寝返りをサポートする

という3つの要素に重点をおいて開発されたのが、機能性マットレスなのです。

3.機能性マットレスとその他のマットレス

機能性マットレスとその他のマットレス

機能性マットレスへの理解を深めるために、その他のマットレスを含めたマットレスの分類について簡単に説明します。

マットレスは大まかに次の6種類に分けられます。

①固綿素材のマットレス=昔から日本で使われている素材。最初は厚みがありますが、へたりによって、快適性が減少するという特性があります。

②スプリング式マットレス=最も一般的なベットマットレス。内部構造がスプリング(ばね)で構成されています。へたりは少ないものの、点で体を支える感じがあり、やや硬さが感じられます。

③普通ウレタン素材のマットレス=特に機能のない普通のウレタンで作られたマットレス。安価に厚みをもたせる素材として採用されています。面で体を支えますが、へたると硬さを感じるようになります。

④低反発ウレタン系素材のマットレス=反発力が低いため、手で押さえただけでも手形が残り、ゆっくりと戻るのが特徴です。体を包み込むように受け止め、接着面を広げて支えます。

⑤高反発ウレタン系素材のマットレス=低反発ウレタンと同じ素材ですが、反発力の高さが違いになります。高い反発力で体を押し上げるように面で支えます。

⑥高反発網目繊維構造素材のマットレス=メーカーが独自に開発した高反発網目繊維の構造が、体の重みによる圧力を、マットレス全体に分散させて面で体を支えます。

①〜③は機能性のないマットレスになります。体を支えるという基本的な性能はありますが、寝心地に違いはあっても、特別な機能はありません。

これに対し、④〜⑥が機能性マットレスになります。単純に体を支えるだけではなく、それぞれ独自に眠りをサポートする機能を持っています。質の良い睡眠を求めたり、腰痛など体の痛みを軽減するといった目的で、適切な睡眠姿勢をもたらす、寝返りをサポートする、局所的な負荷を軽減する体圧分散機能などに重点をおいて開発されています。

4.機能性マットレス3種類それぞれの特徴

機能性マットレス3種類

3種類の機能性マットレスには、それぞれ異なる特性があります。イメージしやすいように、よく知られている製品の例をあげながら説明します。

4−1低反発ウレタン素材のマットレス

低反発ウレタン

低反発ウレタンは、もともとロケット発射時の衝撃から宇宙飛行士の身体を守る緩衝材としてNASAが開発した新素材でした。通常、圧力が加わると、反作用としての反発力が発生しますが、低反発ウレタンの場合は、圧力を素材内部で吸収することが大きな特徴です。この反発力の低さは、手で押した時に、手形が残り、ゆっくりと戻るということで確認できます。体を横たえると、身体ラインに沿ってマットレス内に沈み込み、体が包まれているような寝心地を感じます。体とマットレスの接地表面積が広がり、広い面積で体圧を受け止めるため、体圧分散機能に優れています。また、横向き寝姿勢になった時、反発抵抗が低いので、腕や肩への圧迫や歪んだ姿勢になることが軽減されます。

温度が高くなると柔らかくなり、低くなると硬さが増すという感温性があります。低反発マットレスが支持されている北欧諸国のように、年間を通じて気温差が少ない地域では、その特性が多いに生かされますが、日本のように四季の変化があり、夏は高温多湿、冬は低温乾燥という気候では、生かされにくいという問題点が生じます。使用する際には、エアコンでの室温調節が必須条件となります。

代表的な製品例:テンピュール、トゥルースリーパー

4−2高反発ウレタン素材のマットレス

高反発ウレタン

高反発ウレタンは、腰痛改善に効果があると、最近人気が高まってきています。柔らかい低反発フォームに対して、高反発フォーム=硬いといったイメージがあるようですが、反発力と硬さは別の要素なので、柔らかさを併せ持つ製品もあります。

体の重みを受け止め沈み込んだ後で、高い反発力によって体を押し上げるように支えます。この寝心地は、体をしっかりと支えてくれる安心感を感じさせてくれます。体格に合った反発力のものを選ぶと、背骨が真っすぐに保たれ、理想的な寝姿勢へと導いてくれます。体の沈み込みが原因の腰痛改善に効果を発揮するばかりではなく、リラックスした深い眠りへと導く効果もあります。また、高反発力は、自然な寝返りがスムーズに行われるようサポートする働きもあります。

しかし、ウレタンフォーム共通の特性として、熱と湿度がマットレスのなかに籠りやすいという点があげられます。よって、カビを防ぐために適切な湿度対策が必要になります。また,夏場はマットレスに接している背中側が体温によって温められ、熱さと湿度で不快に感じる場合もあります。できるだけ、放湿性に工夫された商品を選び、ケアを適切におこなうことが必要です。

代表的な製品例:マニフレックス、モットン

4−3高反発網目繊維構造素材のマットレス

高反発網目繊維構造素材

欧米メーカーが中心となっている低反発、高反発ウレタンに対して、高反発網目繊維構造素材のマットレスは、日本メーカーが人気の中心を得ています。復元性が高いため、体の動きに対してスムーズに反応したマットレスが反発し、楽に寝返りができます。自然な寝返りを妨げないことで、熟睡効果が高まります。同じ高反発でも、ウレタンフォームが圧力に対して下から体を支えるのに対し、網目繊維構造では複雑に絡まりあった三次元構造の素材が体を支えるため、圧力に対して下からのみならず、あらゆる方向から支えることができ、マットレス全体へ体圧を分散する効果があります。この優れた体圧分散機能により、リラックスした深い眠りを導きます。熱や湿気が籠りやすいといったウレタンフォームの難点に対し、日本の生活環境に適した優れた通気性も高い支持を受けています。水洗いできるのも魅力です。ウレタン素材に比べて高価であるにもかかわらず、高い支持を受けているのはこのような特性があるからです。ただし、耐久性という面では、ウレタンフォームに劣り、へたりやすいという短所もあります。

代表的な製品例:エアウィーヴ

5.どれを選ぶ?自分に適した機能性マットレスの選び方

どれを選ぶ?

それぞれの特性が、どんな人に向いている、または向いていないのか解説します。

5−1低反発ウレタン素材のマットレス

柔らかな感触で局所的な圧力が少ない点と、体への追随性が高いことから、背骨などの湾曲や歪みが大きい方には、痛みを感じさせにくく、心地よさが感じられるものになります。しかし、根本的に痛みの原因となる姿勢の改善という観点に立つと、そのような効果は得られないということは理解しておく必要があります。体の凹凸を受け止め、体圧を吸収してくれるので、横向き寝が多い方にも向いていますが、体を包み込むような感触については、人によって癒しと感じる場合と、窮屈に感じる場合に好みが分かれますので、窮屈に感じるという方には向きません。体が沈み込むため、寝返りがしにくくなります。筋力があり、寝返りが上手な方には向いていますが、もともと寝返り不足で痛みや疲労感を感じている人には不向きです。感温性があるため、気温変化によって素材の硬さが変化します。夏の暑い部屋では過度に柔らかくなり、冬の寒い部屋では硬くなりすぎてしまいます。機能を適正に保つには室内の温度調節が必要となるため、エアコンを使わないという方にはあまりオススメできません。

5−2高反発ウレタン素材のマットレス

睡眠時の姿勢は、立っている時と同じように背骨のS字ラインが保たれることが理想ですが、それ以上に伸ばされてても、曲げられても体の痛みを生じることになります。高反発マットレスは、その反発力で体を伸ばす方向へ押し上げますから、腰が沈み込んで曲がることで腰痛が生じていた方には、姿勢そのものを根本的に改善できる商品として向いています。ただし、体の歪みが大きく、伸ばされることでより痛みを強く感じてしまう方は、安眠できなくなってしまいますので向かない場合があります。高反発を選ぶのであれば、柔らかい素材を組み合わせた多層構造のものを選ぶとよいでしょう。寝返りが適切に行われていないことによる体の痛みや疲労感を感じている方は、反発力が自然な寝返りをサポートするため、改善効果が期待できます。同じ高反発でも、網目繊維構造素材のマットレスに比べると、安価なため、予算が限られている場合はこちらがお薦めです。ただし、放熱と通気性の点では劣りますので、湿気対策が十分にできないという方には向きません。冬場は暖かく感じる素材ですので、冬の暖かさを重視する方には向いています。

※高反発マットレスは、体に合った反発力の製品を選ぶことが大切なポイントになります。「体に合うものを選ぶには?話題の高反発マットレス徹底比較!」で詳しく解説していますので、ぜひご覧になってみて下さい!

5−3高反発網目繊維構造素材のマットレス

理想的な寝姿勢への改善や、寝返りのサポートといった高反発ウレタン素材と同じ目的で開発されていますので、痛みの改善や疲労回復を目的とする方に向いています。加えて、体圧分散機能については、高反発ウレタン素材にはない独自の網目繊維構造が、体の重みをマットレス全体に多方向へ分散するという更に優れた性能を持っています。クッション性が高いので、高反発ウレタンの反発力が硬く感じるという方には、こちらの素材の方が向いています。ただし、空気を多く含んだ構造のため、高反発・高密度のウレタンよりも、ややへたりやすいという弱点があるため耐久性に劣ります。体重が軽めの方に向いています。体重がある方や筋肉質の方は、手持ちの布団やマットレスに重ねて使うタイプの製品を、厚みがあって硬めのマットレスに重ねて使うことをお薦めします。メンテナンスに関して、軽い、通気性が高い、水洗いできるというメリットがありますので、そういった点を重視するという方に向いています。夏は涼しい素材ですが、冬場は寒さを感じる場合もあります。どちらかというと、夏の快適さを重視する方に向いています。

 6.商品を選ぶとき、こんなこともチェックして

チェック

機能性マットレスというと機能ばかりに目がいきがちですが、毎日使うものですから、メンテナンスを含めて使い勝手をチェックすることも忘れてはいけません。

・サイズ=シングルサイズはどれも揃っていますが、セミダブル以上となると、なかには用意されていないものもあります。欲しいサイズがあるかどうか、あらかじめ調べておきましょう。

・厚み=体の沈み込みによる体圧負荷を軽減するのがマットレスの役割です。横たわった時に、底つき感を感じてしまうものでは局所的な負荷が生じてしまいます。単体で使用する場合、厚みは10㎝以上あるものがお薦めです。

・重さ=日頃のメンテナンスとして、マットレスを立てかけたり、収納したいと考える方は、重さもチェックして下さい。高反発ウレタン素材のマットレスでは、高密度で厚みのあるものは重量も重くなっていますので、そういったメンテナンスには不向きです。

・収納性=体圧分散機能では1枚ものの製品が最も優れていますが、生活上、毎日収納したいと考える方は、三つ折りタイプの製品を選んだ方が楽に片付けられます。

・水洗い=低反発ウレタンや高反発ウレタンの製品は、水洗いできないものが多いです。汚れた時に洗いたいという方は、水洗いできるかどうかも大切なチェックポイントになります。

7.まとめ

まとめ

いかがでしたか?

優れた体圧分機能がある、睡眠時の寝姿勢をサポートする、寝返りを促すといった働きがある機能性マットレスは、その素材と特性によって3種類に分けられます。

①低反発ウレタン素材=体圧を吸収し、包み込むような寝心地。温度変化に弱い。

向いている人:体の歪みが大きく、マットレスに硬さを感じてしまうと、痛みが生じて熟睡できない方。

②高反発ウレタン素材=反発力で理想的な睡眠姿勢と寝返りをサポート。熱、湿気が籠る。

向いている人:寝返り不足や体の沈み込みによる痛みや疲労感を改善したい方で、体の歪みが大きくない方。湿気対策ができ、冬の暖かさを重視する方。

③高反発網目繊維構造の素材=優れた体圧分散機能で疲労回復と寝返りをサポート。高価。

向いている人:高反発ウレタン素材と同様の方で、体重が軽めの方、水洗いや通気性などメンテナンスを重視する方。夏の快適さを重視する方。

です。機能性マットレスを選ぶ際の目安にしていただければと思います。

 

さらに睡眠の質にこだわりたいという方には、マットレスとともに睡眠姿勢に影響する枕選びも重要です。自分に合ったマットレスに巡り会えたら、次はぜひ、枕にもこだわってみて下さい。

※枕選びについては、

ぐっすり快眠は枕次第!有名枕を比較して、タイプ別におすすめする枕を紹介します。

もう失敗したくない!自分に合った理想の枕の選び方

枕選びのキーポイント!良質な眠りをもたらす枕の最適な高さ

でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみて下さい!

 

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